パ・リーグの正常進化

投稿者: | 2011-08-04

我らがファイターズはあろうことか5連敗中だけど(orz)、パ・リーグの2位として優勝を伺っている。
観客動員数も、2010年には札幌ドームでの1試合平均27,000人を数え、今年は合計200万人の大台越えが期待されている。
そして昼に定食屋に行けば、厨房のおばちゃんまで「イナバが…」「ヒサシが…」「(2軍の)ナカムラマサルが…」と熱く語る。

…という感じで、フランチャイズ移転の成功事例と目されていて、札幌民としては嬉しい限りなのである。

さて、この本。

オビにはこうある。「実力も、人気もパ!」。

かつては実力しかないぐらいに言われ、球場には傍目にも閑古鳥が鳴いていた「パ」だけど、地方密着の戦略とファンサービスを軸として試行錯誤を進めた結果、安定した人気を誇るようになっている。

ところがこの本では、社会現象的な視点ばかりではなく、経営の視点からプロ野球を眺める。
(著者さんは伊藤忠商事出身の大学教授/経営コンサルタントだが、アメリカNBAのプロジェクトマネージャーや、ヤクルトスワローズの経営コンサルタントを務めたこともある)

すると良い点ばかりではなく、例えばファイターズでは、球団と球場の経営が別であり、しかも球場は札幌市が握って離さない(オイシイから)などの問題点や、球団の親会社からの自立(単独黒字化)やアメリカなみの経営合理化が急務であるなどの課題も見えてくる。

「人気」は移ろいやすい。しっかりシステムとして確立し、プロである以上確実に稼げるようにならなければならない。

また、MLBと比肩する(真の「ワールドシリーズ」を実現させる)ためには、選手にとって魅力的な待遇や、球団増も視野に入れる必要があると説く。新フランチャイズ(京都や新潟など)の可能性などの提言はエキサイティングだ。

ここで著者さんが例示するのは、アメリカNFLのグリーンベイ・パッカーズだ。グリーンベイというのはウイスコンシン州にある一郡庁所在地で、人口は10万人余りにしか過ぎないが、市民が100%保有するというグリーンベイ・パッカーズは2010年のスーパーボウルを制するなど強豪として人気を博している。システムさえ間違えなければ、このようなことが可能になるのである。これまで「TV中継」を始め大手メディアがもたらして来た一極偏重が崩れつつある中で、このようにフランチャイズ(地域独占)の本当の意義にも迫る。

「親会社制度」の日本プロ野球がどれほど構造改革に走れるかは不透明だけど、楽天やソフトバンクなどの若い企業が新風を引き込んでいるパ・リーグの今後には期待を寄せたいものである。TVに対するラジオのように、健全でクリエイティブな進化をしてくれたらいいと思う。

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