伊福部ナイト

投稿者: | 2014-05-31

札幌交響楽団第569回定期演奏会 at Kitara(夜公演)、であります。

伊福部昭が生誕100周年の節目だそうで、各種PRもあるのでしょうが、新聞記事など各所で話題になっています。オレなんかも、つい本とか読んじゃったりして。

で、今回の札響定期もそれを記念した伊福部特集なのでした。

指揮者T関氏のオンガクがあまり好きでないので・・・いやはっきり書くか、キライなので一瞬のためらいはありつつも、伊福部作品をまとめて聴く機会はめったにないので、気合いを入れて行って来た次第。

近ごろiPodで昔の歌をよく聴くじゃないですか。

その中でつくづく「売れる歌手」「残る歌手」というのは、強力な自分の特徴を持ってるよなあと思います。声質だったり、歌い回しだったり、キーの高さ(低さ)だったり、それは人によってさまざまですが、ひと声でもう、あ、これは誰それ節だ!とわかるわけです。他人の持ち歌を歌ったとしても、あっという間に自分の歌になっている。で、そういうのは上手下手とは関係ないんですね。

当夜の作曲家、我らが伊福部昭はまさにそんな音楽家だと思います。

解説的には、和太鼓を思わせるリズムをベースとした盆踊り的な情緒、ポルタメントやクロマチックや日本的旋法を多用したメロディ、完全4度・5度(御神楽か平安絵巻のイメージ)による和音または半音の衝突による不協和音、奇数律動と言っている変拍子や複合リズム、執拗な同型反復、などなど挙げれば切りがないほどですが、要するにこれ全編伊福部昭節。どこからどう聴いても伊福部昭だなァ、と思わさるところがサスガすぎるわけですね。

いずれの曲も洗練という言葉からはほど遠く、田舎くささ・泥臭さに溢れているのですが、そのぶんルーツのある北海道(アイヌの旋律)のエッセンスや、自分の情動といったものが、ケレン味なく極めてストレートに表現されているというように感じました。いや面白かった。

当夜のラインナップ。
・日本狂詩曲
・ヴァイオリン協奏曲第2番
・土俗的三連画
・シンフォニア・タプカーラ

楽曲の特徴と言えば、各パートのソロまたはソリも多用されているのですが、やっぱりコンマスの大平さん、オーボエの金子さんの音がキラっと光るんだなあ。ヴァイオリン協奏曲の加藤知子さんの音も、ふくよかでつややかで好きでした。あと演奏会冒頭のビオラ(廣狩さん)のソロが、チビりそうなくらいよかった!

*

当夜のロビーコンサートは、札響の打楽器奏者4人によるアンサンブルで、仙波清彦作曲の「オレカマ」という曲。演奏後いつもの倍と言いたくなる喝采がわき起こっていました。打楽器って盛り上がるのね。

というか伊福部作品でも打楽器が多用されていて、そのリズムの反復に、祭りまたはそれこそ盆踊り的な陶酔というか幻惑というかを感じるわけですが、特に一曲目の日本狂詩曲なんかエキストラ奏者も含め9人の陣容。なかなか見ものでした。

なるほど「伊福部ナイト」は「日本ナイト」でもあり、「打楽器ナイト」でもあったのですね。

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余談1。
上の写真で、上から2番目の人(ドラムセット)が座っている「木の箱」にキックペダルがついていて、バスドラ代わりになっているのに目が釘付けでした。カホンみたいなもんかな?

余談2。
ふだんベートーヴェンやブラームスといった欧米の楽曲をキリっとした顔で演奏する楽団員たち。当夜のように超のつく個性的な曲を演奏したあとって調子狂っちゃわないのかしら?(少なくともオレは、演奏者ではないが調子狂った)、と余計なことを考えていたら、んー、ヤハリ(笑)。

余談3。
尾高カントク退任のタイミングで、新たな首席指揮者にマックス・ポンマー氏の就任が決定。カ ラ ヤ ン の 弟 子 か よ(-“-;)。

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