「残酷な神が支配する」 感想

投稿者: | 2010-12-02

往年の別コミ辺りの男色趣味(&ヨーロッパポエム趣味)と正面からガッツリ向き合い、そのテーマを学問的成果も踏まえて極限まで進化させたらこうなった、というところか。

母親の再婚相手から性的虐待を受ける美少年ジェルミを軸に話が進む。

虐待が持つ愛と凶暴の二面性、虐待される側の底知れぬ恐怖と、それにも関わらず義父が死んだ後に頭をもたげる喪失感、知った/知らない・理解/不理解の間に横たわる深淵、親の因果が子に報い…という虐待の連鎖など、人間心理の闇、歪みに深く鋭く迫る物語になっている。

だが、全編を一気読みしていると、義父が死に、ジェルミが義兄イアンと関係を持つ中盤辺りからお話がよくわからなくなって来る。(ギャグ的なやりとりもやや増えてくるし)

イアンが「これではいかん」と「これでいいんだ」の間を果てしなく(しつこく)揺れ動くのもまた人間心理の闇である、と言われればその通りだけど、前半の真っ暗闇のフェイズを過ぎ、筆もやや怠くなって来たことだし、結局美少年愛を果てしなく描くのが愉しくなっちゃった、というようにも思われる。

読後夢でうなされるほど凄い話だが、基本的な動機は往年の別コミからさほど進化していないのかも知れない。

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