「床下の小人たち」 感想

投稿者: | 2010-01-10

ジブリの次回作が「借りぐらしのアリエッティ」といい、児童文学が原作だと聞いてその作品を読んでみた。

宮崎駿氏の翻案はいつもながら見事だが、時として省略が多く(観覧者が感じろということらしい)、原作を追読することで理解や味わいが深まっちゃったりするので、今回は先回りして読んでみよう、というわけ。

あれどこに遣ったっけ?と小さなものをなくすのは誰しも覚えがあるだろうし、“小さな妖精”(本作の主人公は妖精じゃないけど)の実在も、子供の頃に一度は想像したことがあるんじゃないだろうか。

そういう意味で、モチーフはごくありきたりだ。主人公の(身の丈20cmに及ばない)少女と人間の男の子との心の交流というのもだいたい見えるセンではある。

でも1950年代に書かれた(舞台設定は19世紀終盤)物語にして、すでに物質文明や贅沢、あるいは他人に頼りすぎることに潜む落とし穴を言い当てているなど、大人が読んでもコクのある作品と言えるだろう。

「アリエッティ」の公式HPによると、宮崎氏は「借りぐらし」というキーワードの中に大衆消費時代の終焉という現代性を見ているようだが(舞台設定も2010年の小金井になるらしい)、古今東西の児童文学に目を通し、引き出しの中にこういう今に通じるテーマをちゃんと持っている辺りに、時代の寵児としての才能があるわけですな。

監督は別の人になるみたいだし、どんなお話になるんだかねぇ(楽しみ半分、危惧半分(笑))。

*

しかし「床下の小人たち」って邦題、なんとも即物的で夢がないなぁ(原題名は“THE BORROWERS”という)・・・と思っていたら、そう付けられた理由は巻末解説に書いてあった。それでも「借りぐらしのアリエッティ」の方がずっと魅力的だけど。

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