ウィーン・ナイト

投稿者: | 2017-09-25

札幌交響楽団、第603回定期演奏会。
(9/22夜公演)

テーマは「ウィーン」である。珍しくわかりやすい(笑)。でも、かなり奇をてらった選曲である。指揮者さんがそう言ってるんだから間違いない。

その指揮者・下野竜也氏。一度聴くチャンスがあったんだけど(2014/8/29)、ちょうど引っ越し前夜に当たってチケットをキャンセルしたのであった(そういえば直筆サイン入りプログラム送られて来たっけ)。

その時の曲も早坂文雄の「ユーカラ」と「スター・ウォーズ組曲」だもの、だいぶ奇をてらっている。札響に於いては奇をてらうのが私の使命だ、とも言っていた(笑)。(「奇をてらう」という単語だったかはちょっとウロ覚えなんだけど)

さて今回。

1曲目はスッペの喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲

スッペはオーストリアの作曲家というが、生地(ダルマチア)は現在ではクロアチアに属し、ボスニア・ヘルツェゴビナに隣接するようなえらい南方の地域である。スッペの元の名もイタリア風である。「ウィーン・オペレッタの父」とも言われるそうだが、そうド本流を歩いたわけではないのかも知れない。

スッペと言えば「軽騎兵」序曲くらいしか知らないし、3日経った今、この曲もあまり記憶に残っていない。あまり、というか全然^^;

前回を最後に退団された松田さんと入れ替わりで入って来た初登場のトランペット副首席・鶴田麻記さんという人が、なんかうら若い女子だったのに目を奪われてオワリだった気がする。

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で、2曲目は今夜の目玉と言ってもよかろう、グルダ作曲、チェロと吹奏楽のための協奏曲

グルダはあのグルダである(ウィーン出身の名ピアニスト)。えっ、こんな曲、書いたのか。と目を剥くような曲である。

その名の通り、チェロ独奏と吹奏楽(と言っても、オーケストラにある管楽器:フルート1・クラ2・オーボエ2・ファゴット1、ホルン2・トランペット2・トロンボーン1・テューバ1 + リズムセクション:ピチカート主体とアルコ主体のコンバス各1・ドラムス/パーカッション1)のための曲である。PAをかますという作曲家指示があるのも特徴らしい。

チェロは宮田大氏。

曲は5つの部分から成っており、ビッグバンド調であったり(何人かがサングラスと原色のバンダナをつけている)、美しい牧歌調であったり、内省的で深く沈思黙考するカデンツァであったり、華やかでウキウキしたパレードであったり(何人かがカンカン帽をかぶる)、おもちゃ箱をひっくり返したらキラキラときれいな星が飛び出したよ、くらい言いたい曲であった。

宮田氏は、ちょっと聴いて凄いヴィルトゥオーゾだというのが分かる。「えー? 折角ならこういう曲じゃなくてもっとちゃんとした・・・」と始めこそ一瞬思ったが、「いや、こういう理屈抜きで楽しい曲が本来クラッシックの軌道上にあるべきなんだろうな!」と思わせてくれる妙技と熱演であり、曲そのものの面白さだったのである。

これはいかったな。

アンコールに、バッハの無伴奏チェロ組曲から、あの曲。

トランペットの鶴田さんは、この曲では首席福田氏を2番に従えて堂々トップを張る。ピッコロトランペットとの持ち替えで、札響ではあまり聴かなかった(←悪い意味ではない)活きのよさ、キレのよさ、瞬発力を感じさせてくれた。これまでの金管陣に新風を吹き込んでくれる存在かも知れない。(後でググってみたら、うら若いも若い、この春に東京藝大を卒業されたばかりらしい)

話の順序が逆になったが、グルダの曲は編成が特殊で、しかもPAが必要ということで、ステージ配置のために時間を要する。この時間を利用して、指揮者の下野氏がマイクを持って登場。グルダや、3曲目の解説をしてくれる。ナルホドこういう、よく言えば軽妙洒脱、悪く言えばお茶ら系の人だったのか。「余りしゃべるのは得意でない・・・」と言っていたけど、ウソだな(笑)。

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さて、15分の休憩を挟んで3曲目。ブルックナーの交響曲第1番ハ短調(ウィーン版)である。よりによって1番ですよ1番。

ブルックナーは、3番より前に4つの完成した交響曲があるが、その4曲は習作の域を出てないんでないかと(そんなに聴き込んでるわけではないけど)思っているので、ちと厳しいなあ・・・と思いながら当夜を迎えた。札響としても初演ということだし、指揮者自身、「そのせいか空席が目立ちますね」と自嘲する有様なのである。

もっとも、習作期に近い第1番とは言っても、8番を書き終えてから改訂に取りかかったのがこの「ウィーン版」ということで(結局未完に終わった第9番を完成する自信がなくて、こんな昔の曲の改訂にかまけたのではないか、というエピソード、好き(笑))、構成にも響きにも洗練された雰囲気はある。

演奏自体もたぶん、素晴らしいデキだったと思う。フィナーレでは「おおっ」と思う瞬間もあった。それでもやっぱ、途中はダレて、寝落ち寸前まで行ったのであった^^;

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ロビーコンサートは、ヴィオラ鈴木氏+チェロ小野木氏による、ピアソラ作曲のル・グラン・タンゴWikipediaによると、もとはロストロポーヴィチのために書かれたチェロの曲だったらしい。

大タンゴっていうくらいだから、もっと大胆ご・・・いやその、ネットリクネクネと弾いてもよかったんでないかな。前菜でそんな盛り上げても、っていうのはあるにしても。

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