エリシュカ・ナイト

投稿者: | 2017-10-29

登場するたび、「御年80ンー歳とは思えない元気さ」と書き続けてきたマエストロ、ラドミル・エリシュカ氏(札響名誉指揮者)。

このまま永遠に振ってくれそうな勢いの御大であったが、前回公演から帰国したあと体調を崩し、「もう長旅はしないように」とドクター・ストップがかかってしまったという。しかしそこはマエストロ、これきりにしたくないということで、もう一度だけ来日して大阪フィル、そして札響を振ってくれることになった。これが最後・・・。そのニュースに、Twitterを始めとするSNSの札響クラスタに激震が走ったのは言うまでもない。

いよいよ、その最後の公演である。(本当の最後は土曜の昼公演だが、オレはいつもの金曜夜公演を聴く)

で、御年86歳である。

指揮台の上り下りはさすがに足がキツそうだが、それ以外はまったくそういうお歳には見えない。舞台ソデから登場する姿も、まさに矍鑠である。

指揮台に上がると、場内すでに割れんばかりの拍手。なかなか演奏に入れないほどのもので、早くもサブイボが禁じ得ない。

一曲目のスメタナ、歌劇「売られた花嫁」序曲などは、凄い早いパッセージが横溢するある意味難曲だと思うが、的確なタクト捌きと卓越した統率力で、とても引き締まった演奏。まだ一曲目というのにブラボーが飛び、割れんばかりの拍手の嵐であった。

二曲目、ドヴォルジャークのチェコ組曲ニ長調は、また打って変わって優しく温かい、音の毛布にくるまれた・・・と言いたくなる心地よい音楽を聴かせてくれた。このあたりは掌中の珠というのかな、御大の鼓動、息そのままに流れ出してくる音楽なのかなと思う。

メインは、もともとはベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の予定だったが(御大のベートーヴェン・チクルス聴きたかったなあ)、最後なのでと、リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」に振り替えになった。この曲は御大が初めて札響を振った時の思い出の曲目なのだという。これまた伝説的な名演だったらしい(オレ聴いてない)。

この曲では、コンマス田島さんのソロを始め各ソリストたちが妙技を見せる中、テンポをじっくりと取って、オーケストレーション巧者と言われるリムスキー=コルサコフの色彩豊かでダイナミックな絵巻物を存分に再現してくれたのであった。(そう言えば、打楽器に武藤厚志さんがエキストラで入ってたね)

2時間立ちっぱなしで、こんなに素晴らしい音楽を生み出すことができる86歳。呆れる。札響クラスタの誰かが言っていた、「長旅はドクター・ストップだけど、指揮が禁じられたわけじゃない。札響がチェコに演奏しに行けばいいんだ」という言葉を思い出す。したらオレらも聴きに行かないと駄目だべな。なかなかそれは、素敵な妄想である。

エリシュカさん本当にありがとう、素晴らしい音楽を聴かせてくれて。札響をこんなに美しく響かせてくれて。札幌に来てくれて。

オーケストラが舞台から捌けた後も続く喝采を聞きながら、しばし感慨にむせんだことでありましたよ。

*

本日のロビーコンサートは、ホルン陣総出+テューバのアンサンブル。なかなか壮観ですね。曲目はブラーハという人の「VIVAT~4本のホルンとテューバのための」、シュティーグラーの「聖ユベールのミサ」より、とのこと。テューバ玉木さんは一瞬で出番終わってしまったみたいだなあ。

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