PMF GALAコンサート(後半)

投稿者: | 2018-07-30

休憩を挟み、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)GALAコンサート、後半です。
(7/29、Kitara大ホール)

スケジュールが30分くらい、押しているようです(笑)。

当初オーボエ協奏曲が組まれていましたが、ソリスト予定の教授が手を怪我されたとのことで、プログラム変更がありました。

代わって1曲目は、ヴェルディの歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲

PMFの音楽監督でメイン指揮者たる世界的マエストロ、ワレリー・ゲルギエフ氏の登場です。P席のメリットは、指揮っぷりがよく見えること。頭、巨大です。あと、タクトをつまんだ以外の8本の指が、ほぼ常時ひらひらひらひらとビブラート状に動きます。指揮棒はピタっと決まっているので、震えているのではない模様。ちょっと見づらいんでないかねえ。無くて七癖、指揮者の性癖ですねえ(笑)。

ヴェルディはよくわからないので飛ばして、2曲目はバーンスタインの実質的にフルート協奏曲であるハリルという曲。ソリストはPMFアメリカのデニス・ブリアコフ氏(ロサンゼルス・フィルハーモニック首席フルート奏者)です。

ハリルというのはヘブライ語でまんまフルートという意味で、イスラエル戦争で亡くなった若きフルート奏者に寄せて書かれた曲だそうな。

フルート独奏、そして弦楽五部とフルート・ピッコロ、打楽器群からなるオーケストラによって演奏されます。

これも現代曲らしく12音技法が使われているようだけど、それにも関わらずバーンスタイン節の美しくメランコリックなこと。フルートのこう、風に吹かれ揺られるような幻惑的なメロディに乗せて、芸術をまっとうできなかった芸術家の想いに寄り添っていきます。バーンスタインは言ったそうな、「私はそのフルート奏者に会ったことはないが、彼の精神を知っている」と。

この曲はまた、夜のイメージ(眠り・夢・暗闇への恐怖・死・・・)と結びついているとも言われていますが、メインのマーラーにも通じるテーマかも知れんね(そういえばヴェルディの「夕べの祈り」というのも無関係ではなさそう)。あと、バーンスタインはマーラーを振るたび「まるで自分の曲を演奏しているようだ」と共感を示したそうですが、打楽器への偏愛?もマーラーに通じるところでしょうね。

さて。ついにメインディッシュにたどりつきました。(今日一日、長かった・・・(笑))
マーラーの大曲、交響曲第7番ホ短調です。

「夜の歌」というニックネームがありますが(そして実際、第2楽章と第4楽章はナハトムジーク(夜曲)と題されてはいるのですが)、そう言っちゃうと全体のテーマがわかんなくなるからか、近ごろは「夜の歌」とはあまり呼ばれないようです。プログラムにも、そのニックネームは記されていません。(ただしMCでは夜の歌と言ってたし、会場にはミラーボールが登場して夜を演出したりしている)

そんなことも含めてコンセプト的にちょっと難しい曲なので、マーラーの中では苦手の部類でしたが、ナマで聴くと単純に凄いスペクタキュラー。眺めるだけで大満足という曲なわけです。

演奏は、PMFオーケストラ+PMFアメリカ、つまり若手中心のオーケストラの各パートトップに教授陣が入る布陣です。

教授陣はいずれもアメリカの名だたるオーケストラの首席たちですから、若者のパワーをガシっと引き締め、輪郭を際立たせてくれるわけですね。

何と言ってもホルンです。オレの座っている席は、ホルン(6本いる)のベルの真っ正面に位置しているため、ホルンに(それこそマーラー流に)ベルを高々と掲げて吹かれた日にゃー、ホルンの音しか聞こえません。うるさっ。しかしそのホルン、うまっ!!

トップはたぶんウィリアム・カバレロという人(ピッツバーグ交響楽団首席)だけど、その明晰で確信に満ちたタッチ、正確な音程、どこまで行ってもブレない息、「ホルンて、こうだよね・・・!」といくら感嘆してもし切れません。これこそ肉食圏の音だ、札響にも1本欲しい・・・!と切に思わさる見事さだったのです。

全体的にも、息をもつかせぬ、火の出るような名演でした。マーラーって、こうなんだよね。

演奏終了後、一事成し遂げて互いにハグするメンバーたちも、まぶしく美しかった。

いやーしかし、予算の関係とは言え、また珍しい風景の数々を堪能できたとは言え、P席やっぱ微妙だな。ホルン以外は打楽器の妙技しか聞こえなかったし・・・。

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