「海賊とよばれた男」 感想

投稿者: | 2018-07-07

「出光」をモデルに、石油を武器として大正~昭和の激動期を生き抜いたある男の一代記。

表紙を開けると、通常なら「本書にある人名・組織名はフィクションであり・・・」等と書かれている部分に、「この物語に登場する男たちは実在した。」とある。か、かっこええ・・・。

その男、天下国家の大所に立ち、目先の益に拘泥しなかった。陸軍にもGHQにも、自分を疎み押しつぶそうとする同業者にも凜として屈することがなかった。社員を文字通り「家族」と考え、心底その幸福を考えた(社員への信頼ゆえ、勤怠表も定年制度もなかったという)。

本当にこういう男がリーダーだったら、頑張って働いちゃうかもなあ。

それにしても、いい男・いい話すぎる。

一代で強大な組織を作り上げるには、きれいごとでは済まないだろう。どの程度までがフィクションなのかは分からないが、小説だし紙数もあるので、きれいなところだけつまんだんじゃないのかな。

あと、他の登場人物・組織がほぼ実名で出て来るが、出光関係だけは仮名なのはなぜなんだろう?

個々の描写はともかく、「石油を軸にして近代史を見る」視点は面白い。第二次大戦やオイルショックの背景や構図なども明解になる。

この本を読んだ折も折、出光・昭和シェルの経営統合の話題がニュースになった。シェルと言えば、この本にも敵役として出て来る「セブン・シスターズ」の一角を源流とする。主人公「国岡鐡造」は、草場の蔭で何を思うだろうか。

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