鎮魂ナイト

投稿者: | 2018-09-22

札幌交響楽団、第612回定期演奏会。
9/21の夜公演です。

9/6に北海道胆振東部地震が発生、41人が亡くなった。
このプログラムが組まれたのは1年以上前だけど、奇しくも、今夜は震災犠牲者の方に想いを寄せる夜となったのである。(そういえば亡くなった若い子もフルートやってたみたいだな)

曲は三曲。

1曲目は、細川俊夫の「冥想 -3月11日の津波の犠牲者に捧げる-」という曲。

演奏の前に、今夜の指揮者、札響首席指揮者のバーメルト氏がマイクを持って登場。震災へのお見舞いと哀悼を表明したあと、この曲のポイントを語る。「なかなか聴くのに簡単ではない曲。曲が皆さんに寄り添う訳ではないので、皆さんが曲に寄り添って欲しい。それが冥想ということだ」というようなことを語った。

初聴きの曲。津波そのものを表した音楽ではないそうだが、慟哭やすすり泣き、戸惑い、荒涼とした風景を感じる曲である。楽曲解説にある通り、心臓の鼓動を表す大太鼓、筆で刷くような動機が印象的であった。

曲はふいっと終わり、フライング拍手が起こるが、バーメルト氏は身じろぎをしない(祈っているかのようだ)。していいの? いいの? ってな感じで、ようやくバラバラっとした拍手が起こり、しかも盛り上がらずに静まる。あまり感じたことのない居心地の悪さを覚えた。

2曲目は、ドビュッシーの「管弦楽のための映像」。

2つの鎮魂の曲に挟まっているが、はてこの曲に鎮魂の意味があったろうかと調べてみるが、特に見当たらない。どうも、今年がドビュッシー没後100年の節目にあたるということらしい。

冒頭、オーボエ・ダモーレがちょっとよろめいたようだ。誤解かも知れないが、そこで(オレの)テンションはあっさり切れた。本来ドビュッシーらしい陰影のある面白い曲だと思いつつ、全体に芯のない「ばふらっ」とした演奏に聞こえて、なかなか没入できず。

それでも、パーカッション三兄弟(カスタネット・タンバリン・スネア)の妙技や、新加入のホルン・杉崎さんの音(パンと張りのあるしっかりした音・・・ホルンも今後期待できそうじゃのう)などは良かった。

指揮者の意向で、3曲あるうち通常2-3番目に演奏される曲が入れ替わっていた影響もあるのかないのか、これも拍手はパラパラっ・・・と起こりかけ、一端ディミヌエンドして徐々に盛り上がる。どうも、妙な夜である。

休憩を挟み、3曲目はメイン、フォーレのレクイエム

ヴェルディモーツァルトと並んで、三大レクイエムとも呼ばれる。左のリンクに張ったように、これで、札響で三曲聴けたことになる。

低弦重視ということか、舞台上の配置が大きく入れ替わる。ヴィオラとチェロが両翼に開き、ヴァイオリンが間に入る。その後ろにティンパニやハープ、木管・金管が列になって並び、最後方に札響合唱団が陣取る。

しかし、時間がなくて苦肉の策なんだろうけど、前の曲で使った椅子や譜面台などが下手側にごしゃっとまとめて置かれたままである。練習場で演奏してるのけ? みたいな感じ。もうちょっと何とかならなかったのか・・・。

さて、「三大」の中でも、美しさで言ったらきっとフォーレが一番だろう。非常に静謐で優しくて美しいだけに、睡魔必至とも思われたけど、そんなことはなく、弦を中心とした美を楽しませてもらった。札響合唱団も、一糸乱れぬとは行かなかったと思うけど頑張っていた。

なにより、ソプラノ小林沙羅さん、バリトン三原剛さん(モーツァルトの時もこの人だったんだな)の声、きれいだった。

そして曲が終わる。ここでもバーメルト氏、ものすごく「溜める」。今回はさすがにフライングはないが、待ちきれなかった一人が確信犯的に始めた拍手が徐々に広がっていった。

最後に指揮者から、退団されるコンバス信田さんへフラワーセレモニー。

そういえば、今回は各ソロを立たせるっていうの、なかったなあ。ソプラノ・バリトンは別として、指さしたのはフォーレのオルガン(吉村さん)だけだった。コンミス始め、みないい演奏をしていたんだが・・・。

その辺も、「想いの空回り」だったんじゃないだろうか? どうもこう、鎮魂の意識が強すぎて、悪ハマリした夜だったのかも、と思った。

*

ロビー・コンサートは、フランスの作曲家カステレードの「笛吹きの休日」。フルート三人衆による、ほんと陽の当たる秋の草原みたいなふわふわひらひらとしたいい曲だった。

これも、上の方で触れたフルートの子にちなんでるのかな? 考えすぎか・・・。

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