梨木香歩さんシリーズ。
3つの短編からなる本です。
一つ前に読んだ「からくりからくさ」の前後譚で、これも女性の世界の物語ですね。
最初の2編は、主人公ようこ(まだ「蓉子」ではない)が少女で、日本人形の「りかさん」と出会う頃のお話。
寄せ集めの雛飾りを始め、なかなか難しい人形たちの固く絡まった人生?を、ようこがりかさんの力を借りながら解きほぐして行きます。
人形と話をするというのは、ファンタジー、またはスピリチュアルに思えるけど、感じやすい女の子には普通にできることなのかもね・・・と思った。
りかさんと、ようこの祖母・麻子さんがことのほか魅力的。
若い女じゃなくてやっぱおばあちゃん、ベテランの凄みさえ感じます。こういうおばあちゃんにならないと・・・!(男だけど)
3編目は、「からくりからくさ」直後の話。
女性にとって赤ん坊とはどういう存在なのかを描く。男の読者としてはやはり濃厚っていうか、生々しさを感じますねー。