前衛ナイト

投稿者: | 2019-03-16

前衛って死語ですか?^^;

札幌交響楽団、第617回定期演奏会です。(3/15夜公演)

若い指揮者・ソリストを迎えての今季最終定期。前衛というより、すでにスタンダードに列せられているかも知れない20世紀の音楽を3曲です。

指揮者はクシシュトフ・ウルバンスキというポーランドの人で、36歳くらいらしい。

1曲目は、ペンデレツキの広島の犠牲に寄せる哀歌

52本の弦楽器によるコテコテの現代音楽。トーンクラスターなどを駆使しているというけど、オレの席から遠目に見えるヴィオラの譜面には、なんだかバーコードのようなものが見えていました(普通の譜面はほぼまっさらに見える)。

演奏は、出だしの「叫声」からやや大人しい感じがしましたが(もっと狂気に近いようなテンションが欲しいとこだ)、全体的には引き締まっていて、なかなか聴かせてくれました。特にラストは、何の楽器とか何の音程とかがわからないまさに「音塊」であって、トリハダが立ちましたよ。

もとのタイトルは「8分26秒」といったそうだけど、手元の時計で計ってみたら8分22秒ほど。指揮者は暗譜だったけど(スコアの横にストップウォッチとか用意するのかなと想像していた)、凄い技ですね・・・。

しかしこういう曲を聴くと(微分音とか楽器を手で叩くとか「オーバー・ザ・ブリッジ」とか)、オーケストラの可能性を広げたというよりはオーケストラの限界を見たという気持ちになりますね。(伝統的な弦楽五部でやる意味って何、と)

2曲目は、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番イ短調。

交響曲第10番に先立つ時期に書かれたということで、例の頭文字音型(D-Es-C-H)や、第7番なんかにあった「タタタター」の音型が聴こえますね。

ソリストは、ロシアのアレクサンドラ・スムという人。

第1楽章のノクターンから、メランコリックでとらえどころのないメロディが切々と続くわけですが、何だかほわっとしているのに音のツブツブが際立っている、今まであまり聴いたことのない音質に感じます。途中で気を逸らさせることもなく、とても豊かな音色です。第2楽章スケルツォは、一転してノリノリ。時に茶目っ気たっぷりな表情を見せつつ、聴かせるだけではない、魅せる妙技です。第3楽章はパッサカリア。ショスタコ特有の陰惨さ、重苦しさは逆に薄いんですが、その辺は若いコンビだからなのかな・・・とか考えつつ。後半のカデンツァも、抑制しつつ沈潜しつつ、でも第4楽章に向けて引き絞って行く感じ、絶品でした。その第4楽章はもう一気呵成、実に見事な演奏でした。客席からも万雷の拍手とブラヴォーが飛んでいました。

スム嬢、カーテンコールに応えて、小さな紙片を手にして登場。アンコールの譜面かな?と思ったんですが(ショスタコは譜面ありで演奏していた)、日本語のスピーチを書いたメモでした。拍手に「アリガトゴザイマス、ハハっ」と笑った声がかわいかったですね(笑)。

スピーチは練習したと思しくなかなかの日本語でしたが、「デモ」のくだりがよく聴き取れませんでした。「Fridays for Future」ってやつのことだったのかな?

ともあれ、それにちなんでテレマンを弾きます、ということで、「無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア」から、第7番第1楽章という曲。これもじっくり聴かせるいい演奏でした。

さて、休憩を挟み本日のメインディッシュ、ストラヴィンスキーのバレエ音楽、春の祭典です。

前回札響で聴いて以来10年ぶりになりますね。

ステージ上がすし詰め状態になる大編成。その音のカレイドスコープは、もうそこに居るだけで幸福感に包まれます(笑)。

指揮者ウルバンスキ氏にとっては得意演目だそうで、この難曲を軽々とコントロールしていたかに見えましたが、オケの出来の方はもう一つだったかなあ。前回よりは聴かせる演奏だったと思いますが、個々のパーツの熟成度と、それがまだエコシステムにまで昇華していないというか・・・もう少し余裕綽々だったらいいなあ。

その中で、出のたびにオヤっと耳をそばだてさせてくれたのは、アルトフルートの方の音でした。

*

本日のロビーコンサートは、弦8人さんによるメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲ホ長調から。

初めて聴く曲ですが、一般的な弦楽四重奏曲が2本ずつになっただけなのに、もうオーケストラみたいな厚い響きになるんですね。

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