変奏ナイト

投稿者: | 2019-04-27

札幌交響楽団、第618回定期演奏会。
2019年シーズンのスタートです。

今季は、首席指揮者のバーメルト氏が「作曲家が作曲家に出あうとき・・・何を感じ、何を与えたのだろう」という課題を、全10定期公演の指揮者に出したんだという。

面白いですね。知っている限り、こういう年間テーマが明示されたのを見るのは初めてです。各指揮者がどんな答えを出すのか(まあ、曲目で一応の答えはもう出ているのですが)、楽しみな1年というわけですね。

さてその第一夜は、尾高忠明名誉カントクが登板。各回に漢字二文字(+イギリス語)のタイトルがつくのも今季の特徴のようで、「Variations-変奏」とあります。

曲目は、ブラームスのハイドンの主題による変奏曲、モーツァルトのピアノ協奏曲第22番、エルガーのエニグマ変奏曲の三曲。

他の作曲家が作ったメロディへの変奏、自分が作ったメロディへの変奏、モーツァルトをブラームスが尊敬し、ブラームスをエルガーが尊敬した、というような音楽のつながりを表現したのが、尾高カントクの答えだそうです。

さて1曲目、ハイドン・バリエーションは押しも押されもせぬ名曲ですが、近年の研究ではハイドン作の主題ではなさそうなんだとか。

こういう曲は札響もお手のものという感じで、きれいに、感じよく響かせてくれます。

2曲目はモーツァルト。比較的マイナーとされているピアノ協奏曲第22番 変ホ長調です。

ソリストはアンヌ・ケフェレックというフランス人。遠目には、お隣の奥さんという感じで(?)どことなく素朴で親しみを感じるたたずまい。その印象に違わず、優しいタッチのピアノですね。でもテンポはアバウトなようで、時々オケを置き去りにしていました。(か、オケの動きが重かったのか)

この曲は、プログラムによるとモーツァルトがピアノ協奏曲の分野で初めてクラリネットを使ったということでしたが、2楽章のSoliや、3楽章の経過句なんかを聴いていると、当時はさぞや異様というか斬新な響きに聞こえたんだろうなあと思わさりました。

ケフェレックさんは、Wikipediaによると、映画アマデウスでピアノを担当した方だそうです。

アンコールは、ヘンデルのメヌエットという曲。深い泉のような透明な響きが印象的でした。

休憩を挟み、メインディッシュはエルガーのエニグマ変奏曲

実は近ごろエルガーに凝っていて、いろいろ聴いてるんですが、美しくダイナミックなメロディや的確で効果的なオーケストレーションが、(たぶん日本人の感性に)ぴったり来てイイんですよねえ。

この曲も、エルガーの家族や友人たちを音写したという楽しくもカッコいい曲なんですが、今宵もやっぱりNimrod(第9変奏)が白眉でしたね。もうザワザワが止まりませんでした(ヨーロッパ帰還公演の時には泣かされたもんです)。

全体には、音楽(指揮者)の意図にオケがもう一つ着いて行ってない印象を受けましたが。

カーテンコールで、尾高カントク、拍手を制して軽くスピーチ。

ケフェレックさんとは、実に42年ぶり(だっけ)の競演とのこと。プログラムによると、ケフェレックさんはデビューから50年らしい。長く一線で演奏できるなんて素晴らしいですね。

カントクは既に報道されている病気療養についても語り、早期発見だし素晴らしい医師もついている、11月の演奏会(定演ではないけど)には必ず戻って来ますと力強く宣言、場内からの大拍手を受けていました。

*

ところで、本日のロビーコンサートは、飯村さん・赤間さん・鈴木さん・小野木さんの弦楽4人による2曲。

まずはヒンデミットの朝7時に湯治場で二流のオーケストラによって初見で演奏された「さまよえるオランダ人」序曲という。この曲聴いてみたかったんだあ、嬉しい(笑)。

ヴァーグナーのパロディみたいな曲なんだけど、微妙な音ズレや変な挿句などが仕込んであって、なにげに難曲なんではないかと思われます。4人さんは、大いにまじめに演奏されていました。

しかしヒンデミット氏、なんだってこんな曲を書いたんだろう・・・。

もう一曲はさらに異色。アップルバウムの、ダルムシュタットの幼稚園という。

アップルバウムというのは、調べてみると、現代アメリカの作曲家・ピアニスト・スタンフォード大学の教授、らしい。

この曲も、おお、コテコテの現代音楽・・・と思って聴き始めると、途中で第1ヴァイオリンが楽器を置いて立ち上がる。「?」と思っていると、残りの3人の演奏(リズム)に乗って、手話のような体操のような手技を始めました。あっけに取られていると、第2ヴァイオリン、次いでヴィオラと、フレーズが繰り返されるたびにメンバーが立ち上がって行きます。最後はチェロも立ち上がり、無音の状態で(チェロが呼吸でタイミングを取っている)4人がパントマイムさながらの演技を繰り広げ、そしてキチっと「演奏」が終了しました。(ブラヴォー飛んだの、ロビーコンサートで初めて見た(笑))

アップルバウムという人、作品の多くにこうした前衛的なアクションを伴わせているんだとか。(参考

えらく変な・・・いや面白いものを見た、って感じで、毒気を抜かれた体でホールに入りました。

しかしオレったら、写真を撮るんならどうしてこっちにしないかな・・・ついあっけに取られている間に、撮り忘れてしまいました。(←つくづく写真の才能がない)

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