再生ナイト

投稿者: | 2019-08-24

「夏休み」を挟んで久々となる、第621回札響定期演奏会。
夜公演(8/23)@Kitaraです。

定演テーマ「作曲家が作曲家に出あうとき・・・何を感じ、何を与えたのだろう」の第4回。指揮は、首席指揮者のマティアス・バーメルト氏。

ポスターには「Resurrection-再生」とありますが、直接には1曲目の武満徹の死と再生(映画「黒い雨」より)からとられているんでしょう。

今村昌平監督の原爆映画につけられた劇伴音楽ですが、こうしてコンサートで掛かっても聴き応えのある佳曲です。題名の通り、前半はいかにも荒涼とした廃墟に風がむなしく吹き抜けるような、武満一流の調性感の薄い音群、後半は悲しみ慰めを感じる哀切きわまりないメロディ。

武満をことさら大事にしていると思われる札響の弦楽セクションが美しく響かせてくれました。

2曲目は、ブラームスのヴァイオリンとチェロのための協奏曲。二重協奏曲という名でも知られています。

これはブラームスが交響曲第5番を構想している中で、仲違いをしていた友人のヴァイオリニストとヨリを戻そうとして協奏曲に仕立てた、という曲です。構想をそういう風に再生したとか、友人との仲を再生したとか、そういう作用でしょうかね。

ソリストは、いずれも若い二人、Vn.郷古廉さん(26歳くらい)、Vc.横坂源さん(32歳くらい)。郷古さんはつややかでテンションを感じる音色で言うことなしですが、横坂さんはちょっと雑音が多くて、呼吸、足を踏みならす、ボウイングの時の何らかの異音などが気になりました。いずれ劣らぬ妙技、特にユニゾンでの息の合いっぷりは見事。フレーズを受け渡すような場面、音の高低が逆になるような部分では、音量の違いもあってやや不満も。

どうも作為的なフレーズ、あまり創造的でない展開が気になって好きでない曲ではあるんですが、なかなか最後まで楽しませてもらいました。

アンコールを一曲、ラヴェルのヴァイオリンとチェロのためのソナタから第2楽章とのこと。すごいグロくて激しい演出?だったのでコテコテの現代曲かと思ったら、ラヴェルだったとは・・・。

休憩を挟み、3曲目は、同じくブラームスのピアノ四重奏曲第1番ト短調という曲を、シェーンベルクが管弦楽版にアレンジした曲。まさに「再生」ですね。

管弦楽版のスコアが著作権フリーライブラリにないようなので、原典のピアノ四重奏曲版を見ながらCDを聴いてみたら、なるほど、ここをこういう風に音写するのか、と大変面白かったです。一方、密度感のあるオーケストレーションは(シェーンベルクは練習のためにこのアレンジを行ったそうな)、逆に言えばあまり緩みどころがなくて少々「疲れる」感じもします。シロフォンやグロッケンの登場もちょっと違和感あるかな。

ともあれ、民族風あり、美あり、行進曲風ありの面白さを味わわせてもらいました。終曲(ジプシー風)のラストにはしびれましたよ。

*

本日のロビーコンサートは、またまた変わった曲。

木管(+ホルン)五重奏による、ベリオ作曲のオーパス・ナンバー・ズーという曲です。ズー(Zoo)っていうんだからなんか仕掛けがありそうだな、と思ったら、Wikipediaに説明がありました。ナレーションを伴う室内楽曲!

4曲から成っていて、演奏家がそれぞれリズムに乗ったせりふを重ねて行きます。今どきの楽器奏者は、役者じゃないとだめなんですねえ(笑)。でも5人さんとも、なかなかの役者っぷりでした。(せりふは日本語でした)

画像は、第4曲で、(猫のけんかを覗き込んでいるんでしょうか)「おう」と言って全員が立ち上がったところ。面白すぎる・・・。

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