半年以上ぶりのナマ音!
札幌交響楽団、「新・定期演奏会第2回」(第1回は中止)@札幌文化芸術劇場hitaruです。
札響も新型コロナの影響で公演が開催できず、8/1から対策をした上でようやく再開。「定期公演」もようやく実施の運びとなりました。札響もひどい目に遭ってるけど、我々も、ナマ音ロスが激しいわけです。だから待ちに待ったこの夜は、なぜか緊張とともに(笑)、わくわくしながら迎えました。
演奏前に事務局長の多賀さんから舞台挨拶。
指揮はマエストロ尾高忠明氏、コンマスは田島さん。
1曲目、武満徹の波の盆。
武満氏は厳しい現代音楽ばかりでなく、ほっとくととんでもなく耽美的で哀切なメロディーを書きますが、これは後者系の曲(戦争に翻弄された家族を描いたTVドラマの曲らしい)。弦5部のアンサンブルはとても美しく響かせてくれますが、金管のジンタ(死語?)が入り込んでくる当たりなどは、音がゴタっと聞こえます。やっぱりホールのせいだべな。
2曲目、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調。
ソリストは新進の辻彩奈さん。比較的テンポやダイナミクスが揺れ動くタイプかも知れませんね(あまり好きなスタイルではなかった)。こちらも音質は素晴らしいんですが、かなり遠くで(実際ステージが遠くはあるのですが)鳴っている感じで、やや平板に聞こえます。やっぱりホールのせいなんだべな。
今回は前回と違う場所で聴いてみよう!と思って違う席(2階)を取ったんですが、まあ縦長の立方体みたいな呆れるほど巨大な空間で、残響こそいいんでしょうけど解像度がよくない気がしますね。ステージまで遠いのは仕方ないとしても・・・。
*
hitaruについて、ついでに一言。開演前にちょっとお腹を満たしておこうと思ったんですが、どうも軽食をつまめる店がない。コーヒーショップとビストロっぽいところがありますがいずれも混雑、コンビニもありますがちょっと違う。ふらっと外へ出てみますが、飲む店は散見されるものの店のバリエーションは少なく、栄えている感じがしないんですよ。まだ界隈として熟成されてないってな感じなんですかねえ。露地の向こうでホットドッグ屋さんが店を開いていたので、そこにしました。なかなか旨かった。昔会社の近所にあった(確か)桑名というラーメン店もあったので、涼しい時期はそこでもいいかな。
*
さて休憩を挟み、本日のメインディッシュはベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調。いわゆる「運命」です。あまりにも運命的なタイミングですが、コロナ禍の前から予定されていた曲です。
実に雄渾な演奏! 曲の構造的なメリットもあったんでしょうか、前2曲のような欲求不満はなく、響き・バランスもよく、近ごろの尾高センセイの評判通り、推進力と迫力と魅力に溢れたさすがの素晴らしさでした。
最後に尾高センセイが登壇(マイクの用意がなかったそうだ・・・アナウンスでは使ってるのにな?)、東フィルでオリンピック関連曲をやってすごい違和感だったと笑わせたり、札響はKitaraとhitaruの2つのステージで演奏できて、皆さんも幸せなので、今後ともよろしく、というようなお話。でもhitaruはそのなんだ、通い続けるかどうかわからんなあ。
*
ところでコロナ対策についてですが、まず開場時間が30分早まった。
エントランスではお熱を計り、モギリは自分でやります(半券に住所氏名を書いて切り取り、箱へ入れる)。
席に行くと、人によっては移動のお願いが貼ってあります(画像の青い紙:端っこの席なんで大丈夫かなと思ったらあって、真後ろの席に移動)。全体には市松模様みたいに一個空けという感じで客を振り分けているようです。
演奏終了後は、座席に応じて順に退場。当然ちょっと待ったけど、これはなかなかスムーズでよかったでした。