「呼吸入門」 感想

投稿者: | 2013-07-09

自分の「呼吸」についてじっくり考えてみたことのある人は多くないだろう。
その呼吸の大切さについて教えてくれるのがこの本である。

たとえば「呼吸を合わせる」とか「呼吸をはかる」というと比喩的な表現に聞こえるが、意外にそうでもないようだ。

古来、日本人の中には常に呼吸に対する鋭い感受性があった。剣道や弓道、能などの芸能、書道・茶道。もっと卑近に、ふだんの立ち居振る舞いや着物の着こなしひとつでもいい。その中にはなにか共通した一つの芯があるように思うが、それをつきつめれば息の力に行き当たる。

ぐっ、と息をつめれば緊張感が高まり、すっ、と吐くと逆のことが起こる。西洋医学的には交感神経がどうの、副交感神経が何のという話になるのだろうが、そのはたらきを能動的にコントロールすることで、さまざまな力が生まれる。

現代日本人が呼吸をあまり意識していないとすれば、ひいては呼吸を合わせたり、はかったりという人間関係や社会の機微も疎かにしていると言えないか。

上っつらをなぞったがごとき西洋的な文化生活の模倣、せわしなく、ものごとをあまり深く考えない日常、根なし草のようにあっちへよろめき、こっちへなびきという世論。

ここでまた、日本のポテンシャルの危機を思い起こしてしまう。

なにかとイヤなことの多い昨今。この本に倣って、一度大きな呼吸をしてみたらいいのかも知れない。

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