シベリウスの謎

2011/05/15 日 15:48
HY


image[シベリウス―生涯と作品]
シベリウス―生涯と作品」 菅野浩和 (音楽之友社)



偉人の伝記だなんて、子ども時分に戻ったような気がするけど(いや…スイマセン、子ども時分にもろくに読んだことがありませんですけど)、なかなか面白いもんですな。

故国フィンランドが、スウェーデンとロシアに挟まれて長く微妙な位置に追いやられていたとか(自国の言葉も思うようにしゃべれなかったらしい)、その民族意識発揚の流れの中で民族叙事詩のカレワラ(カレヴァラ)に取材した作品を次々にものしながら、国際的・歴史的な作曲家に育って行ったなどの話は、それ自体一編の大河ドラマを追うような気分にさせられる。

また、伝記と作品論が対になっているのもこの本の特徴なんだけど、キチっと作品の歴史的意義づけを説明してくれるのも有り難い。なにしろ名曲とされる交響曲第4番なんて未だによくわかっていないので…(^^;)。

一方、冒頭の「謎」については、結局この本でも謎のままだ。

早くから認められ、国家から年金をおくられたことが却って創作意欲の減退につながった…

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