2003/06/26 木

野性の呼び声-The Call of the Wild-

野性の呼び声―動物小説集〈1〉
野性の呼び声 (ジャック・ロンドン/辻井栄滋訳) 社会思想社・現代教養文庫

荒野つながり」で読んでみた。

セントバーナードとシェパードの間に生まれ、裕福な知識人の家で育った犬・バック。ある時、ユーコンのゴールドラッシュの中で犬ぞりの引き手として使われるために誘拐される。荒野で大変な目に遭ううち次第に自然からの呼び声に気づくようになり、最後の主人の死とともに森に還り、そしてオオカミたちのリーダーとして伝説となるまでの物語。

ちょうど100年前の小説(1903年7月公刊)だが、古さは感じない。もの言わぬ主人公だけに、いろいろな読み方ができる。
自然に還らざるを得なかった痛ましさか。
自然=自由の王国を開いたか。
これをヨリ観念的にスマートに描くと、「かもめのジョナサン」になるのかも知れない。

そのテーマについて、訳者あとがきでは「文明批判の書」というが、それはウガチ過ぎのようにも思う。原始に戻るのがいい(つまり、文明へのアンチテーゼ)ということでもあるまい。野生、自然とは、文明などとは関係なくどうしようもなくそこにあるもの、ということだろう。逆に文明もまた、どうしようもなくそこにあるものなのである。

2003/06/21 土

陣馬山!苦行8時間。。。(^^;)

“軽い山ハマりツアー”第2弾は、高尾山のちょっと先・陣馬山(854.8m)がターゲット。
出発地は前回と同じで、そのとき「こんな急な階段登って行くトコもあるんだな~」等と話していた登山口から攻めるのである。

ルートは、その階段を一気に登り切った景信山(727m)からアップダウンを繰り返し、堂所山(731m)から明王峠、陣馬山へと至る縦走ルート。結構ちゃんとした山歩き!って感じで、面白く充実したツアーだった。
しかし!帰路の選択がまずかった・・・同じ道を戻るのを嫌って、ちょっと迂回のつもりで選んだ道がものすごい下り、しかも下りた先(底沢)から出発地のバス停まで戻るのにまたひと峠越えなくてはならないという鬼ルート。これはかなりキツかった。往復6時間弱くらいの予定が、みっちり8時間も歩いてしまったのであった。
まー、体力的とか、25,000図の見方とか、訓練にはなった。。かな。。。

ところで、カミさんが野山の草花に興味を持ち、図鑑を買い込んだりしているので、植物の写真もいっぱい撮ってみる・・・と言っても同定がなかなか難しいんだけど。写真はキイチゴである。素朴で酸っぱい甘さなのよねん。

※写真は、陣馬山山頂にある白馬の像とともに。
(この山頂には昔、流星群を見に来たことがあったな~。すぐ下までクルマで行けるのさ)

2003/06/19 木

夕張めるぉぉぉ~~ん、届く!

ニポーンの高級ブランド!夕張メロンが実家より届く。ふふふ。

等級は「良」だそうだが、2コ入りだった。うちの奥さんはアレルギーでメロンはダメ(※注1)。大変残念だが(※注2)、オレが一人で2コ食う運びとなった。
というわけで、夢の半切り一気食い! う~、濃~~。

※注1:嫁姑の嫌がらせというわけではない。チトわけがあって敢えて送って寄越したのである。
※注2:本当に残念に思っておるよ。

2003/06/17 火

荒野へ-INTO THE WILD-

荒野へ
荒野へ-INTO THE WILD- (ジョン・クラカワー/佐宗鈴夫訳) 集英社

ろくに装備も食物も持たずにアラスカの荒野へ単身分け入り、4カ月後に恐らく食中毒がもとで餓死した青年を描いたノンフィクション。

何ともショッキングな事件(事故)で、ニュースを聞いた人の評価は批判的、著者の筆も心なしか陰影に満ちているが、直前に接した人の話や日記から推察された本人の姿は妙にハッピーに見える。

この本は、「なぜ人は荒野や冒険を目指すのか?」を考えさせてくれる。危険な山や崖を目指す人、食うや食わずで芸術を志す人、ケガをおしてまで記録にこだわる人などを、他人はバカだなあとか理解できないよ、やめろよと言いがちだが、もとよりそこには他人の典範や理屈などの入り込む隙はない。行動をただ批判したり、ましてその心の中を詮索したり干渉したりするのはお門違いなのである。
本人がそうしたければ、それでいいのだ。

で、彼は荒野にジャック・ロンドンなどを持ち込み、読んでいたという。こんど読んでみよう。

2003/06/15 日

安ソファ解体記

先日、念願のソファを購入。新しいのは奥さんが快適にお昼寝できる?(^^;)大満足の品でした。

ところで。旧ソファ(写真)を処分することになったのだが、これがまたオレが独身時代に通販で買ったちょ~安物。粗大ゴミとして市に頼むと2,000円かかるのが何としてももったいない!というわけで、燃えるゴミと燃えないゴミで出せないかと分解してみることにした。
結果は、ウレタンとかボール紙とかは首尾よく捨てられたものの、溶接してある骨組みだけはいかんともしがたく、500円の粗大ゴミとなった(まずまず)。


しかしなあ。びっくりしたのは、分解してみるとなんとスプリングがない! クッション感は、よく荷造りに使うテープのみで作り出されていたのであった…。安いにしてもここまで安いか? 結構ショック…。

2003/06/13 金

焚き火大全

焚き火大全
焚き火大全 (吉長成恭・関根秀樹他) 創森社

和光大学で焚き火学講座とか持ってる人らが編集した、“焚き火”の意味・動機から科学的解析、文化への反映、焚き火への想いまでを網羅する、まさに「大全」。ちょっと呆れる。

前半の「焚きつけや焚き木の分析」などは非常に興味深かったけど、後半は「旨いモノを食った人が書いた旨いモノのエッセー」みたいで面白くもなんともない。やっぱ焚き火は「自分の体験」そのものでなくっちゃね。

もっとも、そう言っちゃうと、あらゆる「学」は所詮はカリカチュアでしかないということに行き当たる。「純化して法則を知り、方向性を示す」学問的営みのためには意味があるのかも知れないけど、体験…個々の蓄積の前では、学は意味をなさない。焚き火の形を分類してどうしようっての、って感じである。

2003/06/13 金

魔頂チョモランマ

魔頂チョモランマ
魔頂チョモランマ (今井通子) 中公文庫

女性クライマーとして著名な同氏が隊長を務めた、冬季チョモランマ挑戦記。軽い凍傷騒ぎなどもありながら、書き方のせいなのか全体にのんびりした雰囲気が漂っているのは意外。
登山日誌みたいで読んで面白いとは言えないが、BC(ベースキャンプ)を張ってじっくり攻める「遠征隊方式」の登山作法がわかって興味深い。(近年は短時間で一気に頂上を落とす「アルパイン方式」が隆盛らしい)

2003/06/07 土

“軽い登山”にハマるか?

というわけで、行って来ました、初登山。しかも縦走(笑)。
なーんて言っても実は高尾山(標高599m)で、東京都心から一番近い山って感じだけあって山頂などは文字通り黒山の人だかり。要は誰もが気楽に行ける軽ハイキングコースなんである。
それでも、我々が入山した小仏~城山(標高670.3m)の側は人影もまばらで、なかなか険しい登坂もあり、ちょっと気分は味わえた。何しろ山に登るのなんて“冬のアンヌプリ(ぉぃぉぃ)”を除けばほとんど初めてだしな~、約4時間の行程はなかなか歩きごたえがあったのである。

しかし山はいいねえ。ちょうど薄曇りで気候もよく、外ゴハンはいやが上にも美味しいし。早くも「次はどこへ行く?」なんつったりして、ちょっと軽い登山ブームが来そうなイキオイなのだった。

※城山山頂で、一人でバーナーを使って何かBBQしてたおじさんが印象的過ぎだった。

2003/06/07 土

山について思ふ


原風景?だったり
山の記憶と言えば、何と言っても生まれ故郷は山の中だった。今なら「メロンで有名」だけど、昔は「炭坑で有名」だったマチ、夕張である。物心ついた頃、「アンドー(たぶん所有者の名前)の山」でスキーしたっけな。夕張岳は小学校の校歌の最初のフレーズだし、遠景になかなか美しい姿だった。その後レースイ山も滑るのに親しい山だった。「山頂」に立った初めての山は、たぶんニセコアンヌプリだと思う。山登りと言えば、スキーだったわけだな。

その他のレジャーとして山頂まで山登りした記憶って、ない。蓼科の車山には登ったが、山頂までは確か行ってないし。やたらにカンカン照りの日で、ただのっぺらとした山だったな。楽しかったけど、その時は山岳系の友人が一緒で、こちらがへーこら言ってるのに彼はまったく余裕の姿。「こりゃいかん、こりゃオレの手に負える趣味でない」とか思ったっけ。

アンヌプリに登ったっていうのは、独身時代のある年の暮れ。ただ帰省するだけの予定だったが、たまたまニセコのスキーバムに(間接的にだが)誘ってくれる人があったので、参加してみることにした。このときには奥さんをも発見するハメになったのだったが、それは後の話し。このとき初めて、みんなにくっついてスキーをかついで山頂まで登った。最高部の第7リフトから約20分のハイクアップである。

スキーやボードをかついで山頂を目指すアリンコのような列を、かねてから目にはしていたものの、自分がその列に連なろうとは夢にも思っていなかった。しかし青息吐息で山頂に立ってパノラマを見渡し、底知れぬパウダー原を滑る麻薬的な感動を、いやが上にも知ってしまったのである。山っていいなあ・・・と明確に思った記憶はないのだが、ちょっとどっかのスイッチが入ったのは否めない。

それ以来である、雪崩関係の本を買い込み、特集によっては雑誌「山と渓谷」を読む。すぐさま「登る」には結びつかないまでも、何となく憧れに似たようなキブンが培われて行ったのである。

2003/06/01 日

日本ダ~ビ~をちらっと見に行く

世間は早くも6月。
近頃競馬にどうも「燃え」が入らないのだけど、昼にちょっと外へ出たら、日本ダービー開催のためいつもの10倍くらい人通りが多くて、ちょっとワクワクした。
そんな背景もあって、カミさんともども久々に東京競馬場に行ってみた。

改装中の同競馬場、旧スタンドの一部がぼっかり無くなっていて、中央道方面へ素通しなのにまずびっくり。中へ入って行って振り返ると、パドックの電光板が“カラー”になっているのにまたびっくり。40mも張り出した屋根が特徴という新しいスタンドにまたびっくり。久しぶりに来ると、発見がいっぱいあって刺激的だわ~(発見というほどでもないが。。)

で、え、ヨソーですか? 私の馬、武豊の馬に不利を受けて撃沈したみたいでっす。。。
(写真は外国人として初のダービージョッキーとなったデムーロの涙の(?)ウイニングラン風景ナマ写真)
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