チーム・バチスタの栄光

2007/12/01 土 16:20
HY


時を忘れて次の本、次の本、と読みふけったものですが、ちょっと、同じオカンがします。

もっとも、「ミステリー」とはいいつつ、事件の進行とか、捜査や立ち回りとかではなく、論理の積み重ねで物語を紡ぐという構成は、例えば「十二人の怒れる男」的な舞台設定を思い起こさせる部分もあるので、キャラをたんねんに描くことが自ずとお話の生命線なのかも知れない。

作者は現役の勤務医(病理学)なんだそうで。
読前、医者なんだったら、小説書くより医学の研鑽に時間を使えばいいのに…とまあ、意地悪に思わなくもなかったけど、読むとナルホドと思う。

例えば、小児臓器移植が日本でできないこと、ゆえに海外で手術を受ける家族も多いが、それがマスコミでは「美談」以上の取り上げ方がされないこと。
医学先進国の中で、日本では死亡時医学検索(剖検)の実施率が低く医学検証が十分とは言えないこと。(このへんは事件を解くカギともなっている)
さらに、「病院といういびつな生命体の排泄行為」…という極めつけの台詞。

こういった医学、医学行政、医学をとりまく社会生活の歪みへの疑問・提言は、(特に勤務医の立場であれば)直接語るよりも小説にまぶした方がうまく伝達できる、とは言えそうです。

なんにせよ、上下巻1,199円はとても安い買い物です。

チーム・バチスタの栄光」 海堂尊 (宝島文庫)


[7] << [9] >>
comments (0)
trackbacks (0)


<< 60年代のパウダーシーン
(3)キロロ -6℃ ユキ >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.23R]