恋愛小説という名の山岳小説(?)
2008/01/31 木 12:17
HY
取りあえず山岳小説かと思って読み始めます。困難への挑戦か。ヤマ屋同士の友情(あるいは相剋)か…どうも様子が違う。(ヤマの描写は出て来ますが、主眼はそこにはありません)
当時切れるはずがないとされていた「ナイロンザイル」が穂高の岩稜で切れた。
この事実(実際にあった話)が狂言回しなのは間違いありません。
ならば、その「謎」を問う科学小説か。違う。(ナイロンザイルは岩角に当たって切れるのか? その結論は作中には書かれていません)
「切れた」のではなく「切った」あるいは「切られた」を追う警察/社会小説か。違う。(タイーホ者などは出ません)
どうもこれは、恋愛小説なんですね。
小説冒頭で「美人」が登場したところでイヤな予感がしたんですが…(笑)。
ヤマをやらない著者(井上靖)が、ナイロンザイルの切断事件になにをインスパイアされてなぜ恋愛小説を書いたのかはよくわかりません。その瞬間に恋愛小説が浮かんだわけではなさそうな気はする。あるいは、問題提起が意図だったか…。
主人公とその上司が「なぜ山に登るのか?」で議論するシーンがあります。先日読んだ「孤高の人」にも通底しているように思うのですが、山に登る動機は、実は人間の「死地への憧れ」のようなものではないのか。
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