漂泊の才能

2008/03/31 月 12:15
HY



この本は、その時期のことを綴った自伝のようなものである。列車に潜り込むさまざまな手口や、車掌・制動手といった係員をいかに出し抜くか、行った先々での物乞いの上手なやり方…などのわくわくする冒険談。

もちろん、著者のように“優秀”なのもいれば、新米のうすのろのと揶揄されるような“できない”奴もいる。

なにしろ放浪ひとつ取ってもスケールが違うなぁと舌をまく部分がありつつ、誇り高き放浪者であっても、例えば平凡な労働者であっても、結局人生の成不成を分かつものは才能のあるなしなのよね、とちょっと空しくなる本でもある。

こういう本を読んで空しくならずに、漂泊の望みに取り憑かれちゃう人もいるに違いない。それまたひとつの才能ではあろう。

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