江戸ユートピア論
2009/03/31 火 13:43
HY
「
大江戸リサイクル事情」 石川英輔 (講談社文庫)
もちろん、彼らが「リサイクル意識」を持っていたわけではなく、手に入るものを徹底して使い切る生活をしていただけのことである。
例えば照明、燃料、服飾素材、肥料(糞便である。それも農民が我先に調達しに来る“売り手市場”だったという)…いずれも過去数億年蓄積された化石燃料を100年かそこらで燃やし尽くすような営みではなく、1年、長くても2年太陽の恵みを受けた植物から調達され、しかもほとんど棄てるところなく徹底して使われた。
経済成長はほとんどなかったが、自然破壊もなく資源枯渇の心配もなかった。
今と比べて不便で貧しかったかも知れないが、なんと豊かなことよ。そういう本である。
ただ、筆者も指摘することだが、そんな安静な生活を羨ましいと思ったとしても、我々はその頃の生活に戻ることはできない。
石油資源などが本当に枯渇しちゃったり、大災害や人間の生物学的限界(ここ100年余の環境変化に人間は適応できていないらしいですぜ)、経済の大変動などがあって、否応なくそうせざるを得なくならない限りは。
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