本の行く末

2010/07/22 木 11:21
HY


人間には手触りが必要である、移ろいやすい電子ではなくまとまったブツと思考が必要である、本屋での逍遙が必要である、あれどっかにあったよなと本棚を、あるいはページを繰って探し回る無駄な時間が必要である…

などと、私ら紙の本体験がある世代は思い、NOと答えるだろう。そして私らの目が黒い間、紙の本がなくなることはない。

だがしかーし。

生まれた時からタブレットPCしか触ったことがなく、完全にその世界に最適化された“本”とその読み方しか知らない世代は、当然ながらYESと…いやそうとさえ言わないだろう、紙の本? なにそれ美味しいの?

「本を検索エンジンだけで探すようになるとたこつぼ化する」とか「本がバラバラにされて消費されるようになってしまう」と“本”の行く末を危惧する向きがあるそうだが、そういう心配はまったく無意味ではないだろうか。ツールが変わり、世界観が変わり、ニーズが変わり、生活体験が変われば、そこには世代間の断絶だけがあり、「幼年期の終わり」があるのみだ。

どっちにしても、いずれ出版文化の衰退とか業界・団体の沈降は(TVや新聞、その他既存の権威と軌を一にして)否応なく襲って来るのであり、ワシらの世代の知ったことではない。



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電子書籍の衝撃」 佐々木俊尚 (ディスカヴァー携書)



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