イルカをめぐる冒険

2010/08/19 木 20:46
HY



「一頭残らず殺す」ことについては、大切な資源として使い切る大義名分とは裏腹に捕る方にも後ろめたさがあったようで、供養塔などが残っている。だが供養塔の映像は出ても、その意味については(理解/説明しようともせず)あっさりとスルーする。

イルカ肉に含まれる多量の水銀の話なども、だからイルカを食べない方がいいという根拠にはなっても、「地元の人さえまったく食べていない(で、よそへ売り渡して儲けている)」という飛躍した結論を保証するものではないと思う。(※2)
ちなみにこちらもラストで「作中で語られるppmがどの肉でも検出されるわけではない」というエクスキューズが出現するのだが…。

もちろん自然保護にまつわる問題提起であり、日本人の国際的立場を考えるキッカケということでも無意味な映画とまでは思わないが、全体を通して「知的なイルカを捕殺すること」を感情的に糾弾する映画以外には見えなかった。



一方、映画側の盗撮まがいの手法はともかく、地元の漁民や「警察」の行動も少し異様だ。バリケードを張ったりクルマで尾行したり罵声を浴びせたりして、撮影クルーを捕殺の現場へ近づけまいとする。

外国人が突然町へやって来て、わけのわからないことを言うのに過剰に反応しているだけなのか(※3)、それとも本当に隠したい「悪事」があるのだろうか。

殺戮(※4)ではあっても、それが守りたい習慣・文化であるなら、心臓の弱い人は見ない方がいいかも、でもどうしてもというならどうぞと言ってどっしり構えていればいい。

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