嫌いなものを研究してみる
2006/08/20 日 12:38
HY
…なぁんて、酔狂なことを考えてしまったんですが、なにしろ嫌いなものには時間がかかる(笑)。興味のある内容なら半日で読んじゃうくらいの本に、約1カ月もかかってしまいました。
「美しい国へ」 安倍晋三 (文春新書)です。
「嫌い」からスタートしているせいもあるかも知れませんが、なにしろ、その安直なナショナリスティックな内容が鼻につきます。
自由と民主主義から靖国へ、オリンピック(日の丸の掲揚)から国歌≒ナショナリズムへ、9.11から自衛隊へ、拉致被害者から「愛国心」へ、という論理構成はサスガ政治家。長けています。
読者の心の柔らかいところを突きつつ、用意した結論へ…というのは、イッシューを単純化して自分の土俵に持ち込もうとする例のナントカ劇場に通じる手法ですね。
平易な文章そのものは読みやすいのですが、敢えてかみくだいているのか、それとも平易にしか書けないのかは気になるところ。
また、民意が戦争に駆り立てた、(靖国に祀られている英霊は)国家のためにすすんで身を投じた、国民の総意でA級戦犯を犯罪者でなくした、など、主語のスリ替えや論理の放埒さも目立ちます。
全体として、非常にアヤウイ人だという理解がくつがえることはありませんでした。
ところで、いいことも多少は言っています。
「(中国が反日キャンペーンを張る理由をアメリカの政府高官がよく知らなかったことを受けて)戦後日本の民主主義の歴史を、…世界に向けてきちんと説明して来ただろうか?」
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