ゲド戦記ノート

2006/08/28 月 14:54
HY


この映画の試写を見て、ル=グイン氏は「いいんじゃないですか。でもこれは私の本ではなく、あなた(宮崎吾朗氏)の映画です」と言ったそうな。で、この速成の映画には「トトロ」の精緻さも、「千と千尋」の豊かなディテイルもない、何より原作の持つ精神性が戦いと暴力の描写にまぶされてしまった、云々とこき下ろしています。

また、当初駿氏も制作に関与すると約束したのに、守られなくて残念、とも…。

こうした指摘が正鵠を射ているかは、わたくし的には作品を観るつもりがないので何とも言えませんが、原作サイド(ひいては全世界のゲドファン)から見たら“ひどい”映画だったんでしょう、きっと。
交渉中の約束が守られなかったことも含め、日本の制作シーンの信頼性にも関わる事態なんだろうと思います。

ところで、アニメや実写に関わらず、名のある原作を映像化する際にはこうしたトラブルは当然想定されるべきでしょうね。原作者(ひいては全世界のゲドファン)の脳裏にあるイメージがそのまま具現化されるはずはないのであって(また、具現化するだけなら意味ない)、いかにル=グイン氏が「トトロを観ていっぺんに、そして永久に駿氏のファンになった」とは言え、「映像化してもよいよ」とお墨付きを与えた時点で、それはル=グイン氏の負けを意味するのではないでしょうか。

駿氏が二十数年前に「ゲド」の映像化を申し出ていたというのも驚きでしたが…だって駿氏は、「カリオストロの城」こそ違うかも知れませんが、その監督作品はほぼオリジナルで勝負して来たんじゃありませんか(また、だからこそ世界的にリスペクトされているんで)。その監督作品の多くを独自のイメージ世界で勝負して来たからこそリスペクトされていると思うんで、これは意外だなぁ。それほど「ゲド」って魅力的なんでしょうか?

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