カラヤン的

2009/03/07 土 13:31
HY


image[カラヤンがクラシックを殺した (光文社新書)]
カラヤンがクラシックを殺した」 宮下誠 (光文社新書)



議論はシンプルで、「高尚で深刻であるべき(という前提でいいのかは疑問)クラシック音楽を、安っぽいエンタテインメントに堕さしめたカラヤンの罪は重い」というもの。
まあ一理はありそうに思いつつ、この情報過多の大量消費時代にはカラヤン独りが悪いわけではなく、その結節点にカラヤンもいた、というだけだろう。

後半はカラヤンと対置してクレンペラーやケーゲルといった深刻系の指揮者についての語りが入る。「世界苦(ヴェルトシュメルツ)」という単語がたびたび出てくるように(美学の方の用語なのかな?)、(クラシック)音楽には苦悩や狂気が必要なのヨ、というのがそもそも言いたいことなんだろう。

もっとも、そのキーワードに対して「「世界苦」などという余計な感傷を無視しさえすればカラヤンのオペラは存分に楽しめるものに仕上がっている」というくだりがあるように、要は「カラヤンってダメだよね、まあどうでもいいんだけど」程度の話なんである。

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