staying in OHIO, USA 1998 (solo)



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チャーチルダウンズ競馬場(ケンタッキー州ルイビル)・・・下見篇
11/2(月) 曇
時折小雨がパラつく天気の中、ブリーダーズカップ(BC)開催に先だって、朝からレキシントン、ルイビルに下見の旅に出る。

丘陵地帯で馬を飼う インターステートでシンシナチを通り過ぎ、ケンタッキーに入った後、州道に降りる。ここら辺りは山がちなせいか、車にはねられた鹿の死体がたくさん転がっている。州道36号から68号へ。すごいアンジュレーション(しかもほとんど芝)が続く丘陵地帯に牛や馬が飼われている。その風景だけでも感動モンである。

途中に「パリ」という街がある。「スパルタ」とか「ワルシャワ」なんて地名もある。入植した人のフルサトなのだろうか? こうして走ってみると、アメリカにはあまり考えてない地名が多い。

馬グッズショーウインドウ レキシントンでハイアットの裏の駐車場(1ドル25)に入る。街を歩くがほとんど活性化していない。
近ぢか結婚する競馬友達がいるので、この競馬の聖地でなにか記念品を買って帰ろう、と考えている。ハイアットのモールで馬グッズの店に入る。大きな額入りのイラスト、装飾品、衣類の数々…非常に食指が動くが、これといったものがない。唯一、店頭にディスプレイしてある、馬のイラストが入ったストーンウェア(瀬戸物)の皿が気に入ったのだが、結婚祝いには物足りない大きさ。裏を見ると「ルイビル・ストーンウェア」とある。地元産なのだな…後でまた探してみよう。

日も暮れたので、国道からインターステートに上がり、ルイビルを目指す。雨が強まったりする。ルイビルのダウンタウンはビルの照明等がすごくきれい。レキシントンより大きいんじゃないかこの街は? 近郊のインターで降り、中堅ホテルのDAYS INNに投宿する。
TVでマンデイ・ナイト・フットボール(ダラスとどこか)を見るが、余りの凡戦に最後まで起きていることができなかった。
2:00頃目が覚め、喉が渇いたので外の自販機にコーラを買いに出る。「カナダのクオーターはアメリカのクオーターと似ている。自販機で使えるんじゃないか?」と友人と話していたのを思い出し、実験(^^;)してみるが、やはり使えない。うまくできているものである。
滅茶苦茶に冷え込んでいるのに、そこへ上半身裸のにーちゃんが出てきてびっくりする。アメリカ人の感温感覚って、はっきり言って異常である。

明け方まで眠れず。

11/3(火) 雨
ブリーダーズカップatNBCニュース 朝、TVでなにやら馬の調教風景が流れてBCの話題をやっている。チャーチルダウンズでBCが開催されるのは4回目だ、とかレポーターが言っているのを見ていると気持ちがはやり、もう少しゆっくりするつもりだったが早めにチェックアウトする。カウンターでドーナツとコーヒーをもらって車に乗り込み、まずはチャーチルダウンズを目指す。

インターステートに乗るが、地図にある出口がない。少し先で同じ番号の州道に出られたので近隣を走り回ってみるが、それらしいものがない。車を止めて交差する州道の番号をチェックすると、全然南の方にいることが判明。ここで初めて、夕べ泊まったホテルが自分の思っていた地点と全然違う場所であったことを悟る。

その後も、「こんなトコに世界的な競馬場が本当にあるのか?」と不安になるような住宅地を走りながら、何とかチャーチルダウンズに到着。馬の調教をやっている!
ゲートが開いているのでずっと入ってみると、おばちゃんがカウンターに座って入場者のチェックをしている。これはスタッフの入場を管理していたらしい。一般客は、ミュージアムがあるせいもあってか、何と自由に出入りできた。客のいない、BC準備中のチャーチルダウンズ競馬場である。

あのシンボル、尖塔 あの尖塔だ……感動!!
が、本馬場へ出てみてびっくり。東京競馬場なら立ち見であるはずの場所が全部パイプ椅子で埋まっている。コンクリートに固定された手すりなどがあるところを見ると、これがデフォルト仕様であるらしい。相撲の桟敷席に似ている。
これはやはり、直前に小耳にはさんだ情報通り全席指定なのか…と暗澹たる気持ちになりながら写真を撮り、ゲートに戻る。おばちゃんに当日のチケットのことを聞いてみると、15ドルで入れるが、シートの空きはもうないよ、ということであった。そうか、やっぱりね…予習が足りなかった。が、取りあえず入れることは確認できたということで気を取り直す。
親切にありがとう、おばちゃんの写真を記念に撮りたいと言ったら、「がっはっは」と笑ってくれた。

チャーチルダウンズを一旦後にしてダウンタウンへ。一方通行が多い街なかは、やっぱりガランとしている。都市のダウンタウンというところは、平日の昼間はきっとみんなビルの中で働いていて、そうでない人は仕事がない人ばかりなんだろうか…。

オハイオ川の写真を撮った後(寒い!)、ルイビル・ストーンウェアの探索に入る。皿などを売っていそうな店を探すが、ない。モールがあったが、その手の商品はやはりない。またハイアットがあったので、通路を伝って行ってみる。今度は店そのものがない。1軒見つけた装飾品店のおばちゃまが品よく親切そうだったので、尋ねてみる。知っていた! 車で来ているのか? ブロードストリートを左に曲がり、4〜5ブロックほど行った右側に、窯元があるヨ、というようなことを言っている。いいねえ。礼を言い、店を探すことにする。ずっと走って行くが、見つからない。半信半疑でなお行くと、看板を発見! やった。右の道に折れると、ちゃんとあるじゃんか裏手にShop Openの立て看が!

絵付け実演のおにィちゃん 中へ入ってみると、たくさんの器、皿、置物…絵入れの実演やオリジナル(特注品)の受付、まだ焼いていないものもある…まさに窯元。だが、目指す馬関係はマグカップしかない。弱った。カウンターで、ハタチ前後だろうか、かわいいおねえちゃんに聞いてみると、奥からちゃんと例の皿のセットを出してくれた。よかった。
大中小3枚を2セット購入。日本まで送れるか?と聞いたら「Whm...we can, but...very very very very very expensive!」と言った。んー…かわいい…。
まあ、自分で持って帰ることにして包んでもらい、ルイビルを後にする。

チャーチルダウンズ競馬場(ケンタッキー州ルイビル)・・・本番篇
11/6(金) 曇
オハイオ最後のご来光 投宿先のオハイオ州コロンバス最終日の朝。雲がちだが、最後のご来光がちょっとだけ見える。
浴室、台所、リビングの掃除、洗濯なぞして、お世話になった部屋を片づける。
投宿先の主人たる友人K氏もルイビルまで行ってみたいというので、シグネチャーインに電話して予約を変更する。2-beds-roomがなかったので、客室2つを取る。

18:00過ぎ、K氏の車で再びルイビルへ。ルイビルまで約3時間半、22:30、ホテル着。
チェックインしてみるとわれわれが最終到着の客だったようで、SmokingRoomと「StudioRoom」なる半端な部屋にそれぞれ通される。壁に埋め込み式の簡易ベッド、クーラーつけっぱなし、前の客のメッセージが残っている、トイレの水栓が壊れている(のか時間がかかるのか)、4:30に目覚ましが鳴る、壁の照明が変な音を立てる、ディスカッション用の部屋ででもあるのか照明が明る過ぎる、など、なんだか良くない。電子レンジと冷蔵庫があるのはいいが、あまり役に立たない。
割といい方のホテルチェーンなのだが、印象は最悪であった。

11/7(土) 晴
快晴に恵まれました いよいよブリーダーズカップの日! 早朝からNBCで特集をやっており、ソワソワしてしまう。朝インターネットに繋いでみると、日本の友人からしっかり10点、買い目のメールが入っていた。
ホテルロビーでコンチネンタルな朝食。レーシングフォームと首っぴきで検討する競馬オヤジが数組。楽しそう。部屋でbreederscup.comを開き、馬券の買い方を再確認する。9:00、競馬場へ出発。

例の「桟敷席」に入れないものかと、フットボールの時にやったみたいにダフ屋を探すが、パーキングの誘いしか出ていない。オフィシャルパーキングも一杯だったので、20ドル払って一般家庭が庭を提供する臨時駐車場へ。この辺りは日本と変わらない風景である。
ゲートまで行ってもダフ屋の類はいず、売り子は新聞(それもスポーツ系ではなくルイビルの一般新聞…ただし「競馬版」が入っている)のばかり。指定席は諦め、50セントで新聞を買い、15ドルでゲートを通り、中へ入る。
太陽が隠れるとさすがに寒いが、ここ1週間にない好天に恵まれた。2人で「執念の勝利だね」と笑う。昼にビールとソーセージサンドイッチ。ガーデンパーティさながら、その場でBBQしているソーセージが旨い。

名物ミントジュレップ 名物のミントジュレップを呑む。ミントがでかい。5.75ドルで今年の年号が入ったオリジナルのコップが付いてくるのが嬉しい。

チャーチルダウンズとブリーダーズカップ。
白基調にグリーン ・白基調にグリーンで統一された施設がとてもきれい。
・芝が長く太い。
・パドック観覧席が狭い。段差がなく、前2列の人しか見れない。
・最初の1レースが一般戦、2・3レースがGIII、4レースからがBC。
・第1レース10:30、最終レース17:30。
・パドック→購入→内馬場の行程が、最初のうちはちょうどよい間隔。だが次第にパドックが混んで来て、レースを見た後では馬が見られなくなってくる。
・連れのK氏は、競馬初心者ながら5レースまで全勝(人気薄の複勝、を狙い目としているらしい)。「ビギナーズラック」を地で行っている。
・内馬場にいると基本的にレースは一瞬しか見られない。
場「外」にある大型スクリーン ・「競馬場の外」に大型ディスプレイがある。大らかというのか何というのか。そういえばクリーヴランドのJacob'sスタジアムにも、ちらっと外から見える一角があったっけ。外からの金網ごしにレースを見ている人もいる。
・向こう正面はコースの近くで見られるため、迫力は堪能できる。特にBCクラシックはスタートシーンを目の前で見られる。
・金網がゴツい。
「あの」ファンファーレ ・ファンファーレが「例のアレ」である。3人ほどのトランペッターが、厳かな中にもユーモアたっぷりに吹き奏でる。このメロディ、ダービーだけじゃなかったのか…何だか嬉しい。
・朝のリポーターはすごいおしゃれしていたので身構えたが、凱旋門賞とは全然違ってオヤジな競馬ファン多数。むしろ日本の雰囲気に近い。終盤には床がゴミやはずれ馬券で散らかる辺りも同じ。
・一周1600m弱。

17:30、最終レースのBCクラシックが終わり、人の流れに沿って外へ出る。
人も車もいっぱいで、車がほとんど動かないほどの渋滞。約50分かかって渋滞を抜け、その足でダウンタウンへ。超高級レストラン等を横目にパーキングを探し、Restaurant & Barの店に入る。トランジスタ・グラマーな黒人の女の子が客のハンドリングをしている。
イタリアン・ソーセージのスパゲティ、サイドディッシュにアンチョビなどを注文。麺は茹ですぎだが、ソーセージがやはり旨い。量的にもほどよく、なんかフツーの食事って感じで今日の気分にはぴったりだ。結局黒字を計上してすっかり競馬が気に入ったらしい連れと一緒に、日本、米国、フランスの違いなど、競馬談義に花を咲かせつつ、ルイビルの夜は更けて行くのであった。

(98/11)