2003/06/07 土

山について思ふ


原風景?だったり
山の記憶と言えば、何と言っても生まれ故郷は山の中だった。今なら「メロンで有名」だけど、昔は「炭坑で有名」だったマチ、夕張である。物心ついた頃、「アンドー(たぶん所有者の名前)の山」でスキーしたっけな。夕張岳は小学校の校歌の最初のフレーズだし、遠景になかなか美しい姿だった。その後レースイ山も滑るのに親しい山だった。「山頂」に立った初めての山は、たぶんニセコアンヌプリだと思う。山登りと言えば、スキーだったわけだな。

その他のレジャーとして山頂まで山登りした記憶って、ない。蓼科の車山には登ったが、山頂までは確か行ってないし。やたらにカンカン照りの日で、ただのっぺらとした山だったな。楽しかったけど、その時は山岳系の友人が一緒で、こちらがへーこら言ってるのに彼はまったく余裕の姿。「こりゃいかん、こりゃオレの手に負える趣味でない」とか思ったっけ。

アンヌプリに登ったっていうのは、独身時代のある年の暮れ。ただ帰省するだけの予定だったが、たまたまニセコのスキーバムに(間接的にだが)誘ってくれる人があったので、参加してみることにした。このときには奥さんをも発見するハメになったのだったが、それは後の話し。このとき初めて、みんなにくっついてスキーをかついで山頂まで登った。最高部の第7リフトから約20分のハイクアップである。

スキーやボードをかついで山頂を目指すアリンコのような列を、かねてから目にはしていたものの、自分がその列に連なろうとは夢にも思っていなかった。しかし青息吐息で山頂に立ってパノラマを見渡し、底知れぬパウダー原を滑る麻薬的な感動を、いやが上にも知ってしまったのである。山っていいなあ・・・と明確に思った記憶はないのだが、ちょっとどっかのスイッチが入ったのは否めない。

それ以来である、雪崩関係の本を買い込み、特集によっては雑誌「山と渓谷」を読む。すぐさま「登る」には結びつかないまでも、何となく憧れに似たようなキブンが培われて行ったのである。
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