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TVのバカ

テレビの罠―コイズミ現象を読みとく (ちくま新書)
テレビの罠―コイズミ現象を読みとく」 香山リカ (筑摩新書)


副題にあるように、「コイズミ現象」を巡るTVの功罪を、豊富な文献検索(悪口を言えば他人のフンドシ)で読み解こうという本。

TVが戦後ニッポン國民をバカにしたとオレは思っているんだけど、視聴率という形で國民がバカを望んでいるのも事実なのであって、実際のところはどちらが先なのかよくわからない。

TVの最大の難点は、時間に絶対的な制約があることだろう。あらゆるコンテンツを一定時間に収める必要があるために、議論は深まらず、どんな映像にも編集が介在し(たとえ「生中継」であっても)、結論はシリキレになる。イッシューがシリアスであればあるほど、それは次々に流れ去ってしまう(コドモ文化丸出しのバカCFに切り替わる)。

この辺を天才的にうまく操ったのがコイズミさんである。
曰く、「ワン・フレーズ・ポリティクス(一言政治)」という。改革是か非かという身も蓋もない単純化で、國民世論を大動員した。その媒体となったのが、TVである。例のブラ下がり取材を一日二度行ったのもコイズミさんである。

さて、選挙演説でアソーさんが街頭に立った時(これも何で街頭で演説せにゃならんのかというとやっぱりTV向けなんだろうが)、アソー・アソーの大合唱の映像には唖然とした。「フクダさんとアソーさんなら、やっぱりアソーさんかなぁ」と、どっかのオバサンが根拠薄そうに目を輝かせる。

政治や行政がおバカなのも國民がバカなせいだが、はて、どこかで歯止めをかけることはできるのだろうか?
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