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2006/07/25 火

ガッカリなニュース

福田康夫元官房長官は二十一日、九月の自民党総裁選に出馬しないことを決めた。同日夜、東京都内の自宅前で記者団に「年も年だ。総合的に判断した」と明言した。これにより総裁選は、最大派閥の森派の大勢が支持し、他派閥の中堅・若手にも横断的に支持を広げる安倍晋三官房長官の優位が一層鮮明になる中で、福田氏以外の候補が絡んでいく構図となる。

北海道新聞 バックナンバー

このニュースは残念ですねぇ。残念です。“安倍次期総裁”が既定路線になってしまったからです。
もっとも、「正面切って戦って万一負けたら、小泉-安倍路線の信任が揺るがないものになってしまう」「いま国論を二分することは国益上好ましくない」「“反靖国”の旗印として担がれているだけ」等々、報道されている不出馬の理由は、いずれも納得という感じもします。結局しょうがないんです、自民党だから、森派だから…。ますます、小沢民主党に頑張ってもらいたいですねぇ。

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ところで、安倍氏絡みで驚いたのは「A級戦犯の遺族には遺族年金が支払われている」という事実でした。(安倍氏が著書でそのことに肯定的に言及している、という新聞記事があった…ソースはロスト
支払いの是非を論じるつもりはありませんが、実際問題として、国際的に有罪判決が出ていても国内法上は「犯罪者ではない」という位置づけになっているんですね。ここに、日本自身の(そして安倍氏の)歴史認識のあやふやさが見てとれるのではないでしょうか。

(戦犯の取扱いについては、ここに資料があります)

安倍氏はまた、東京裁判について「インドのパール判事がそもそも裁判を行う資格があるのかを問いかけている。事後法的な罪で裁かれており、問題点があったのはだいたい国際的な常識だろう」(参照)とも言っているそうです。
手続きに難があり、判決に問題があったら何だと言いたいのでしょうか。日本の戦争は実は正しかったとでも?

キケンですねぇ。
自らをキチっと総括しないで言いたいことばかり言っていると、近隣諸国との軋轢は増すばかりでしょう。

(2006/7/26追記)


氏の「美しい国へ(文春新書)」の中にこの記述がありました。「だからなんなのか」「どうしたらいいのか」については言及していません。ただ国内法では犯罪者ではない、とだけ。

「再チャレンジ可能な社会」についてもちらっと読んだんだけど、そのためには「公平な競争環境を担保する」という条件つき。そんなのあり得ませんよね。

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Comments

同感です。総括しないと言いたいことも言えなくなって、近隣諸国にはツッコミどころ満載な国になっていくと思います。
 私もがっかり。安倍だけは総理にしたくないんだけどなあ。
 
 日本が国連の敵国条項(日本・ドイツ・ルーマニア・ブルガリア・ハンガリー・フィンランド)の対象国のままであることを、安倍は明らかに認識していない。

 中国は、安倍が総理になり、憲法9条を改正(とは呼びたくない)したら、マジで核ミサイルを日本に向けるだろう。 

 本当にヤバくなってきちゃったなあ。

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