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2008/09/23 火

地形図秘話

地図に訊け! (ちくま新書 663)
地図に訊け!」 山岡光治 (ちくま新書 663)

元国土地理院の技官だった著者による、地形図の裏話。

作図技術や「図式」と呼ばれる作図マニュアルの歴史的な変遷、地形図に潜んでいる「間違い」「影や風向きなどの表現」「(ある種の)ウソ」などのエピソードがかなり興味深い。

中でも、

「かなり最近(2002年)世界測地系に組み込まれるのを機に補正されるまで、日本の地図は大陸などの地図と経緯度に食い違いがあった」とか、
「電子基準点(GPS電波を連続的に捉えて三角点同様の役割を果たす)が全国に約1,200点設置されている」とか、
「あの山は○○山であると特定し正しく表記することは意外に難しい」

とかいう話にはへぇーのオンパレードだし、

「建物の名称が表記される位置(順序)」とか、
「実地測量と航空写真参考の違い」とか、
「地図製作には“小人の手と巨人の目(繊細な作業と、巨視的に見て必要な情報とそうでない情報を取捨選択する=時には大胆に省略する能力)が必要」

とかは実用面から重要な示唆である。

勉強になりますた。

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