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2008/02/12 火

団塊の読み方

先日K部長が定年を迎えられ、送る会に参列させていただきました。フツーの会社に勤めたことがないので、こういう機会は初めて。ちょっと新鮮でしたねぇ。

氏は60歳。そう、団塊世代の大量定年が始まっています。
その旺盛な消費意欲(ひいては生産意欲)で高度成長時代を牽引して来た彼らが引退した後、市場はいったいどのようになって行くのか。興味は尽きません。

つーわけでこの本です。
団塊と団塊ジュニアの家族学―平成拡大家族


ちょっと要約してみましょう。

大量消費時代を経て、まずモノが溢れ豊かになった。欲しいモノへの飢餓感が薄くなり、ニーズが拡散し、その中で手間・暇がかかるリスクに満ちた「結婚」の価値が相対的に細って行く。また核家族化・高齢化の流れとも相まって、単身世帯が増えて行く。結果、「家族」が崩壊する。

一方、格差社会の中で収入が少なくなっていく若年層。生活インフラを共有化するための結婚を選択する。さらに収入と自由時間を補うために、両親と近居し、生活資源や子供の面倒を見る時間を削ろうとする。

新しいこの「緩やかな大家族」像が、サブタイトルにある「平成拡大家族」である…。

後半に入ると、結構白けて来ますね。
筋がキレイすぎて、眉に唾べっとりもんです。
オレぁー、「家族」にそんな単純な未来が来るだろうか?と懐疑的です。

だいたい電通・博報堂関係の本って、自作自演のニオイがするんですよ。議論の出発点は統計資料ですが、だんだん文章が酔って来るというか、「お話作ってるでしょアンタ」感が強まって来ます。それに執筆者は東京など大都市圏しか見てない(つーか知らない)。

これで「家族のスタンダード」を語られても困ります。
はい、ご苦労さん。

*
ところで、本書中盤に「戦後のTVCMが家族をどのように描いて来たか」という余興が入っていますが、これは(資料的に)面白かった。

あたかも「CMが世相を表す」というスタンスで解説が書かれていますが、「CMが世相に指針を示す」という方が正しいと思いますがね。だって、上の「自作自演」に繋がりますが、売るための表現ですからね。

アメリカあたりでは、映画やホームドラマが世相に指針を示して来たように思いますが、日本ではCMがその役を担ったのかも知れません。

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Comments

なーんだ、漢字の読み方かと思った。

…ワタシの職場の先輩で、プレゼン中、団塊世代を「だんこんせだい」と大真面目に言うお方がいらっさいます。
最初、ふざけてるのかと思いましたが、大マジな様です。
女子として、訂正すべきかどうか、真剣に悩み中です。
ワタシの先輩で、「励起」を「ぼっき」と読んでいた女性がいましたねぇ。訂正したら軽く赤くなっていましたが…。(かわいい)

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