<< (5) キロロ -9℃ 幻のスノーボーダー(笑) | main | 自然との共生を考える本 >>

2008/12/08 月

高価で乾燥的なワルツ

またも札響(札幌交響楽団第514回定期演奏会 at Kitara、2008/12/5)。
今回はラヴェルの夕べです。
開演前に着席すると、ティンパニやオーボエの人が楽器の調整中。いつもの光景ではありますが、本番の前の徐々に張りつめていくひと時。けっこう好きです。

指揮は高関健氏です。

1曲目は「スペイン狂詩曲」。
冒頭のピアニッシモ(かな?)がしずしずと流れ出します。例えばCDだったら聞いててもつい流しちゃう部分に、自分の神経が集中して行くのがわかります。やっぱりナマはいいなぁ。レコードなら、CDよりは曲への没入度が高いかもな、針を落とすっていう儀式があるからな、なんて考えているうちにプレリュードが終了しました。
…と、客席から、大地をどよもすようないびき?が聞こえてきます。は、早くも?(^^;)

いやいいのよ、かのバーンスタインは言った、「いい音楽は眠りを誘うものだよ」と。

でもよく考えてみると、オレも「集中」とか言いつつ余計な考えごとをしていた事実。なんか、よくないんじゃない今夜の演奏?
音楽がノっていないというか、音がパーツ・パーツとしか感じられないまま、曲が終了しました。
あれぇ?てなもんです。
「いびき」も無理からぬ…と思っちゃった…かも。

2曲目、「左手のためのピアノ協奏曲ニ長調」。
今夜はこれを聴くためにチケットを買った、という楽しみな曲です。
ピアノは舘野泉氏。2002年に脳出血を患った後、ほとんど左手だけで演奏活動を続けている方です。
先日北海道新聞にインタビュー記事が載っていました。この曲は「左手」という話題性だけではない名曲。元気な頃もやりたかったのになかなかオーケストラが取り上げてくれなかった。が、倒れた後はこの曲ばっかり(笑い)、というようなことを仰っていました。

これはよかった。
1曲目と同じオケとは思えない。音のコアがピアニストに移ったからでしょうか…。

ピアノの音がやや埋もれてしまったり(これは席(2階L=ピアノの斜め後ろ)のせいもあると思うけど)、オケとのアンサンブルがやや不安定なところがあったりはしましたが、全体の中ではそんなのどうってことない。
特にカデンツァのコロリコロルリというアルペジオの美しさにはひたすらうっとりでした。


休憩を挟んで3曲目「道化師の朝の歌」、4曲目「高雅で感傷的なワルツ」…このへんはまたあれぇ?です。

時間合わせで急遽入れたんじゃないか、これで終わったら金返せもんでは? 高関さんのシンパにはやっぱなれないなぁ、とまた余計な考えごとが頭をもたげます。

そしてラスト、「ラ・ヴァルス」。
3拍子が続くこともあっていささかゲンナリしつつあったのですが、これはまたよかった。さすがにメイン・ディッシュはよくこなれていて、聴かせました(この曲に限って指揮者が暗譜で振っていたのもひょっとしたら関係あるのではないか)。


ラヴェルの絢爛とした音楽(フランス風、スペイン風、ニューヨーク風のモダンな空気)を札響はどう聴かせてくれるのかな、と興味しんしんだったんですが、よかったんだかよくなかったんだか、よく分からない演奏会でした(^^;)。


*
ところで、普通なら縁の下の力持ち・コントラファゴットがラヴェルでは時々オイシイ役目を担います。艶っぽいいい音出してるなぁ、と思って見ると、あっと思い出しました。札響の3番ファゴットの方は女性なんですね(夏山さんという)。

見るからに肺活量の要りそうなコントラファゴットですが、夏山さんはいかにも胸板が厚いんですな(失礼(^^;))。高校時代まではテューバを吹いていたというのでナルホドなんですが。

そんなことをまた考えていたら、アンコールは「マ・メール・ロワ」から「美女と野獣の対話」…それこそコントラファゴットが主役級の曲じゃないですか。これにはすっかり愉しくなってしまいました。

終わりよければすべてよし。

Trackback URL


Comments

Comment form