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2009/02/13 金

パトはネ申なのか?

ニセコビレッジスキーリゾート(後志管内ニセコ町)は、スキー客がパトロール隊員と一緒に滑走禁止区域を滑り、雪崩などの危険を学ぶ無料の教育プログラムを計画している。深雪を求めてコース外に出る人が絶えないため、プログラムに参加してもらうことでスキー客の安全を確保する試みで、十二日に関係者が現地検討会を開いた。こうした試みは道内初で、来季からの実施を目指している。
禁止区域は「水野の沢」(長さ約二キロ、幅約五百メートル、最大斜度約四〇度)。吹きだまりができやすく、一九九〇年代には雪崩事故の犠牲者も出ている。同スキー場は現在、ダイナマイトで小さな雪崩を起こして大規模な雪崩を抑止している。
教育プログラムでは、天候や雪質など、参加者の安全確保に十分配慮した上で、熟練のパトロール隊員の案内で禁止区域内を滑走。隊員が雪崩やくぼ地、亀裂などの危険個所を教え、安全な滑り方を指導する。この日は約二十人が体験、意見交換をした。
同スキー場の田中栄一支配人(41)は「監視を強化しても、年間約五百人が禁止区域に入る。教育プログラムの参加者が滑れば雪が固められ、雪崩の危険性もさらに減る」と話している。

雪崩の危険滑って体感 ニセコビレッジ 来季から禁止区域で教室-北海道新聞(社会)


水野の沢は、ニセコルール(参照:pdfファイル)によって基本的には「完全立入禁止区域」とされている。一部「雪崩防止作業実施区域」として関係者が入り、アバランチコントロールなどを行っているようだが、この記事はそこに「スキー客」を入れるということを言っているように思われる。

その通りだとすると、ニセコルールをなしくずしに形骸化させる暴挙ではないのか。

客だけならダメだが、パトがつけばおっけー。
その違いはなんなのか。(本質的にはなにも違わない)

先日、同じ「完全」区域である湯の沢に立ち入った協会所属ガイドがパスを没収され、問題になったばかりである。一方で、ロープダッキングや禁止区域滑走をルール違反とする認識は広がりつつある。

その中での性急なルール弾力化には慎重であるべきだろう。

(記事中で支配人は安全確保を強調しているが、魅力増幅による利益追求が主眼であることは容易に想像されるところだ)

一方、以前立ち入りが禁じられていたヒラフの藤原の沢もなしくずしに開かれたクチだが、魅力が増幅されたのは確かだし、その後大きな事故が起きた話も聞かない。

これに照らせば水野の「雪が固められ…」というのも根拠なしとは言えないだろうが、いずれにせよ「禁止の希薄化」が進めば、ルール自体が崩壊して行くのは目に見えている。

ニセコビレッジは、厳密な手順を踏むべきだと思う。

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Comments

東山は数年前(3〜4年前だったと思う)から水野の沢にパトロールを入れて、滑走させることのできるコースにできるか否かを検討していたんだよね。その活動の成果として、今回の限定的なコースオープンということなんだと思います。

ただし、この限定的というのが厄介だよね。パトロールはネ申ではないというのはそのとおり。特権的な位置づけになってしまうのはあまり良いことではないと思います。

藤原の沢にあれだけ人気が集中しているんだから、うちにも同じようなコースが欲しいというのは、経営者としては当然の考えになるんだろうなぁ。難しいところです。
ちなみに「水野問題」は2年半くらい前に知りました。
http://www.steeps.jp/hy/log/eid876.html

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