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2007/04/28 土

平和の重み

民間防衛 新装版―あらゆる危険から身をまもる

マニュアルである。
「永世中立国」であるスイス政府が、各ご家庭に一冊配ったという、「有事」への備えである。
襲撃があったら、爆撃されたら、核攻撃を受けたら、細菌兵器に侵されたら、
なにが起こり、誰が、どうしたらいいか。

後半はシミュレーション。
近隣の全体主義国家が揺さぶりをかけてくる。大国がプロパガンダを仕掛けてくる。
そして開戦。スイスは多勢に無勢、武力をもって占領下におかれ、屈従の日々が始まる。
その時、国民はどう考え、なにをしたらいいか(あるいは、してはいけないか)。

メッセージは一貫している。
われわれは平和を堅持する意思を明確にする。支持国はある。
国民はこの本にしたがい、常に準備を怠るな。
そして有事にはいっとき我慢せよ。自由への解放の日は必ず来る。

あとがきにもあるけど、大変ショッキングな内容なのだ。中立を守り、平和を維持するために強力な軍を持つスイスの哲学。
「平和」には、覚悟が要るのだ。

同じ平和でも、そこには日本の「平和ボケ」とは異なる誇り高い理想と実践がある。
憲法論議もよいけれど、日本はもっと「平和」について真剣に(真剣に)考えた方がいいんではないのか?

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