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2008/03/25 火

ゴダイゴ

異形の王権 (平凡社ライブラリー)
異形の王権」 網野善彦  (平凡社ライブラリー)


12~13世紀の習俗から、歴史の陰の部分を掘り起こそうという本です。
先日読んだ本(「山の人生」)が民間伝承からそれを読み取るなら、これは現代に伝わっている図版を解いて行こうという(一応)趣向です。

「異形」というのは、卑賤の者たちの装いのこと。
シモジモの服装なんてのは、確かに文書には書かれにくく、“なんとか図絵”の片隅に描かれているのを拾って行く作業なわけですな。

卑賤とは言ってもそれは金襴や覆面、柿色の山伏服で、それらがなぜ卑賤に貶められていったか?(被差別化の進行) や、名前くらいは知っている「後醍醐天皇」が、権力を我が手に奪還しようとしたときに、密教の法衣や法具を手にしていた…すなわち異形を身にまとっていたのはなぜか? それが後世に与えた影響は? などが語られて行きます。

一般啓蒙書ではなく学術論文で、専門用語が解説なく出て来たり、議論が極度に微細にわたったりしているので、若干読みづらくはあったのですが、当時の天皇がこうして一個の性格として見えて来るのはやはり面白いですね。

高校時代とかにこういう本を読むようなリテラシーがあったら、日本史も楽しかった(し頭に入った)ろうなぁ、というのが率直なところです(´Д`;)。

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