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2008/12/09 火

西友の戦略って

近ごろ、業界で話題になっているのがこのチラシ。
(マイミクさんの日記でも話題になっていた(笑))
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西友の「他店のチラシと同じ価格で売ります」という、家電業界では競合店オープン時などに時々あるものの、食品スーパーでは(オレは)初めて見た手法である。

思い切ったことするなぁ。

なにが思い切っているかというと、最大のポイントは「レジで」他店のチラシを見せたらその場で値引きというシステム。
先日某社でやった「スクラッチくじ」でさえ(ウチが仕掛けたわけではない(^^;))、レジのオペレーションが滞りまくったため、店長から「二度とやってくれるな」というお叱りが来たという。
標準化からはほど遠く、都度対応が必要なこったら企画をレジでやられた日にゃぁたまったもんじゃなかろう、と思う。

もう一つ、スーパーの特売価格というのは安くすっぺ!と店舗で決心したらできるというものではなく(場合によってはあるが)、原価との事前調整が行われるのが普通。のはず。例えば「シャウエッセン380円」というのは、そこに至るまでにバイヤーとメーカーの血のにじむつばぜり合い(というほど毎度緊迫するわけじゃないと思うが)の結果なのだから、他店380円、わかりましたじゃ当店でも380円、というのは思ったより簡単ではないはずなのだ(下手したら不当廉売になる)。一体どんな仕組みになっているんだろう?


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ところでこちらのブログで、経費まわりのシミュレーションを行っていて興味深い。細かなパラメータの多寡はあるにせよ、最大5~10%の値引き発生を想定しているのでは、という辺りはナルホドと思われる。

ただ、「○○を○%OFF」と明確に設定するよりは、レジでのトラブルやクレームを勘案してもはるかに出費は少ないに違いない。

そもそも誰しもが他店チラシを持って来るわけでもなかろうし、これとこれはこのチラシ、こっちはこのチラシ、なんつーこまごましたことをレジでやるのは客の方も面倒くさい。

インパクトや販促効果は限定的だとしても、「KY(カカクヤスク)でいこう」というキャンペーンの話題性を補完する働きや、前掲ブログにあるように西友(ウェルマート)の意気込みを示すくらいの働きがある、というところではないだろうか。


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ちなみにウチの営業氏は、このキャンペーンを知ったとき言下に「じゃ(最も安いと言われている某社のチラシを持って)酒買いに行く」と言った。営業としてサスガである(勝負カンが優れている)。
しかし残念ながら、酒や惣菜、全品○割引など価格を特定していない商品は除外である。


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さて、つーわけで、西友を覗いて来た。(12/5(金)のこと)

雨にも関わらずそれなりの客数が入っている。だが、他店のチラシを持っている人は通路にもレジにもいない(笑)。
(客が入っているのは、当日の「クレジット利用5%OFF」や「冷食常時4割以上引」の影響の方が大きいのではないか)

試しにレジのかーさんに「よそのチラシ持ってくる人、結構いるんですか?」としれっと訊いてみたら、ちょっと苦笑いのような微妙な表情を見せたあと、「まだそんなに…今日は2名様」とのこと(13:30頃。その人が対応したのが2名ということだと思われ)。

ほ~。いないわけじゃないんだ。でもやっぱ「我も我も」というほどではないんだ。
という感じでした。

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Comments

我が家でも KY は話題になってます。
うちの近所にはジャスコ、スーパーアークス(ここは安い)、フードD(ここも結構安い)など安売り店が結構あるので、西友にはなかなか足を運ばないけれど、やっぱりこれを見てしまうと一度は行ってみようという気にさせるよね。
野菜や果物などは同じようでも違いがありますよねー。
近くのスーパーは高めだけれど、鮮度が違う気がして・・・いつも利用しています。
まぁ 遠くまで行けない事情もあるけど。
>おが
ジャンク系の店を除けばスーパーアークス(BH)がやっぱ安いんだよねぇ。セールでは「末尾5円」が際立っています。

>た
あの店は「高品質路線」がウリだったんだけど、最近カッコつけてられなくなって来たみたい(笑)。
な~るほど。思い当たる・・・

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