<< 時代の輝き | main | 寒~~ >>

2005/09/30 金

「完全」はあり得ない?

かなり面白い記事を読みましたよ。

Wired Newsの「完全にランダムなシャッフル再生は可能か」がそれです。

iPodを使ってびっくりしたり感心したりしたことは数あれど、中でも「1,000曲の楽曲をシャッフル再生して聴く」体験は、意表を突かれた驚きだった。
パソコンならともかく、クルマではせいぜいCD12枚くらいだったもんね。
人間、少ない選択肢を繰り返し迫られるとすぐ飽きるんだから。

ところがこのシャッフル再生、意外にシャッフルじゃないのは衆目の一致するところ。
その日のご機嫌に応じて、中島みゆきデーだったり、Yumingと矢野顕子ばっかが繰り返し登場したり、入っている曲数は少ないのに人間椅子が妙によくかかる、とか…(^^;)。

これはてっきり、アポーのソフト技術に問題があるに違いない!(もしくは、単なる思い違い?(^^;))と思っていたんだけど、この記事を読むと、どうもそうではないらしい。

話題は2つある。

  • 予測可能な方法で物事を処理するよう設計されているパソコンにとって、統計的にランダムである数字の連続を生成することは非常に難しい
  • 「プログラムは実際にランダム化している」が、「数学上の無作為と、われわれが直観的に期待する無作為とは、往々にして矛盾する」。

このため、実際に聴いていて完全なシャッフルには思えない、という。

これは非常に興味深い。

確かにコンピュータでは、真の乱数ではなく疑似乱数っていうのでお茶を濁している。というのは昔から言われてたけど、それを人間が眺めると、必ずどこかの時点でムラが出てくる。
いや待て。「真の乱数」という概念自体がムリなのかも知れないぞ?
と、そういうわけなのだな。

自然のしくみの面白さ。あるいは人間の無限の(あるいは、非常に限定的な)感覚能力というものを思わずにはおれません。

*
ところでiTunesの新しいバージョン(5)には、「スマートシャッフル」という機能が用意された。(あれ?前からあったわけじゃないよね?)
これは「同じアーティストの曲が続けてかかる度合い」を調節できるもの。
「ランダム」じゃなくて、人間が働きかけることでより自然な「ランダムさ」を作り出そうというのは、上の話を踏まえた逆転の発想なんでしょうな。

早速「より少なく」の最大値に設定してみたが…とくに変わった印象は受けません。orz

Trackback URL


Comments

Comment form