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2006/02/08 水

下流社会

下流社会 新たな階層集団の出現
「ジニ係数」という言葉が北海道新聞(卓上四季)に載っていて、おお~時代のキーワードじゃのう、と思った。
ジニ係数というのは、仮に一人が全世帯の所得を独占した状態なら「1」、所得が全世帯同じなら「0」となる数値である。日本は1980年に0.31だったのが、2001年には0.38に上昇したという。つまり、「所得の占有率が上がった」=「所得が偏った」=「格差が広がっている」ということがわかる指標なのである。
なんで「時代のキーワード」などと思ったかというと、ちょうど、その話から始まる「下流社会~新たな階層集団の出現」(三浦展著、光文社新書)という本を読んだところだったから。
マーケティング関係ではトレンデぃ~な一書なので、道新もソースは同じかも知れない。

「下流」というのは著者の造語だそうだが、「基本的には“中の下”であり、食うや食わずの“下層”というわけではない。しかし“中流”に比べれば何かが足りない。何かとは、“意欲”である。中流であることに対する意欲のない人、中流から降りる人/あるいは落ちる人、それが“下流”」なんだそうだ。
1億総中流時代と言われたのはバブル前の頃であったが、その中流が分解し、下流に向かう人が増えている。

折しも「社会の格差を首相が認めた」とか何とかが話題となっている。でも意欲や能力がない“下流”なヒトビトが増えて格差が広がっているというのは、別に首相の失政ばかりではなく、物量的に豊かな(だった)時代の帰結なのではないかという気がしている。
衣食足りて礼節を知るともいうが(日本人に礼節などもうない)、衣食足りて満足しちまったんだろう。

そういう緊張感のなさが、4点セットとかメディアを毎日にぎわせている社会的問題にも繋がっているのではないだろうか。

*
著者の略歴を見ると、アクロスの元編集長。少ない根拠、感覚的な分析、予定調和な結論…の本だなぁと思ったのも納得。「かまやつ女の時代」の著者でもある。

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Comments

以前に読んだ.結構簡単な見方.でもプジョー乗りがロハスに分類されているのだけ,やられたと思った.
パタゴニアとかもね(笑)>ひろし。
ロハスっていうと、どうも小学館的プチブルなニオイを感じてしまうのはひがみだろうか…(^^;)。
環境とか地球に優しいってうさんくさいんだよなぁ。だって、人間が出てくる前の地球では、大気のほとんどは二酸化炭素でしめられていて、オゾン層もないから紫外線もバリバリ地表に到達していた時代ってのがあったわけで、その中で生命は進化してきたんだし。

「地球に優しい」という言葉は「人間が滅びないために人間が住める環境を保つ」ということだから、本来は「人間に優しい」という言葉にするべきだと思うのです。人間が滅んでも地球はあと50億年ほどは「星としては存在」していくと言われているしねぇ。地球様に人間ごときが「優しくしてあげる」ってのは、少しおこがましい感じです。

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