Barcelona Tour 2002!

 ・・・ガウディとパエリャな日々

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2002.10.13(日) [第2日]
 
4:30 目が覚める
目が覚めると真っ暗で、枕元の時計を見るとまだ4時半。日本時間ならもう昼近く、11時半なのだからしょうがない。yokoはよく眠っているようなので(さすが日本でも午後まで眠れるヒト)、もう眠りたくもなかったが7時くらいまでウトウトする。
7時といってもまだ暗く、ここでも日本とは時間の切り方が違うって感じ。カーテンを開けると、クルマにサーフボードを積んでいる若者がすぐ近くにいてびっくりする。

9:00 いよいよバルセロナ散策
ホテル発。地図で見ると近くにあるらしいグエル公園を目指す。
ところがまず現在地がわからない。事前に代理店の人がくれた地図(ホテル位置とおぼしき場所に付箋が貼ってある)を頼りに少し右へ行き、左へ行きするがよくわからん。この辺りは坂道が多く、早くも疲れて来る。ようやく、ある公園の表示を見つけて位置がわかった。どうやら付箋の位置が違っていたらしい。
ともあれグエル公園の方向がわかったので、再び歩き始める。途中にあったパン屋さんで、サンドイッチ、ミニクロワッサン、コロッケ、ジュースなどを買い込み、公園のベンチで朝飯にしよう!ということにする。

かぶりつくサンドイッチが旨いのよ ところが、「こっちがグエル公園」という表示に従って歩いていたら、公園らしき雰囲気はあるものの、どんどん山道に入って行く。ガウディどころか、普通の整備さえされていない。単なる山歩き。おかしい。でも「ガウディというのは自然を重んじたんだよねえ…」とか言いながら上を目指す。途中、扉の閉まった建物がある。「これがガウディ博物館。。じゃないよなあ?」
犬連れのおじさんたちやジョギングの青年が時折行き来する(バルセロナ、大きな犬連れの人がやたらと多い)。公園には間違いないらしい(しかも、犬のうんこがやたらと多い…写真は、「犬のうんこは持ち帰りましょう、ありがとう」の看板)。

かぶりつくサンドイッチが旨いのよ 取りあえず山頂らしきところに着いた。大きなベンチがあったので、朝飯にする。
遠くに初めて見るサグラダ・ファミリアが霞んでいる。
よい天気だし、眺望はいいし、パンが旨い。とにかく滞在中、サンドイッチだけは外れがなかった。挟まっているハムが旨いんだよね。

異様なる建造物
グエル公園の「守護神」
のどかすぎる食事を終え、引き続き「おかしいなあ?」と言いながら、道なき道をかきわけ、反対側へ降りてみる。
すると、忽然とアヴァン-ギャルドな建造物群発見! おお! これぞまさしくグエル公園! 以前TVで見た、あの風景!
われわれが歩いて来た「野趣あふれるただの山公園」は何だったのか、こっち側はちゃんと大勢の観光客が集い、盛り上がっている。回廊、広場、トカゲの像。特徴あるモザイクと、直線がいっさいない構造、徹底的にデコボコした石づくり紛れもなきガウディ節がウナっている。

バルセロナの鋭い陽光の中、ベンチでしばし感慨にふける。最後にガウディ博物館(ガウディの住居だったという)入り口の土産物店で絵ハガキを買い、第一の目標は達せられたのである。
やれやれというわけで、出口付近のカフェに腰をおろし、cafe/cokeを頼む。スペイン語「por favor(すいません)」の使い初めであった。

中央がその絵本 13:00 市街方面へ向かう
次はメトロ(地下鉄)である。グエル公園からまた延々と20分ほども歩き、Lesseps駅へ向かう。
途中、街の本屋さんがあったので寄ってみる。ハハ(taeばあ)がお餞別をくれつつ、スペインの絵本があったら買って来てくれ、と言ったので(ハハは子供図書館で仕事をしている)、ちょっと探してみる。夜、一人で寝るようになった子供の怖い気持ちをえがいた本が気に入るが、今は歩くのに荷物になるし、また後で別の大きな本屋さんでも探そう、と思う(後で苦労するハメになるのだが。。)。

回数券テ・ディアス・ウノ・ソーナ 駅に着き、窓口でガイドブックにあった「T-1」という回数券を買おうと思ったら、ない。表示を見上げると「T-10 1 Zona」というのがそれに当たるらしい(複数人でも使える10回分の回数券)。
しかし何と発音して買えばいいのかわからない。自販機もあるが、まだコインを持っていないので、窓口で取りあえず英語で言ってみるがダメ。すると係の人がレジのような機械のディスプレイに表示された文字を指さして「これか?」という顔をしている。「Yes、yes」と(スペイン語なら「Si, si」だがこの言葉がなかなか出て来ない(^^;))、1枚を購入。5ユーロ余り(700円くらい)だったか。

それを自動改札機に通してyutakaが入った後、yokoに手渡し、yokoが入る。ちょっと不正乗車のようなスリルがある。自動改札機は日本のような賢そうな機械ではなく、いかにもヨーロッパ風(パリのものと同様)。
2つ目のDiagonal駅で下車。改札を出る時は改札機を通さず、檻のような金属の扉を抜ける。これもパリと同様。

ゆらめく波のような。。 地上へ出るとすぐに、2つめのガウディ見物先、カサ・ミラがあった。「山」がテーマというこの集合住宅、独特の有機物のようなデザインは迫力がある。
中に博物館のようなものがあって内部の見学もできるようだったが、長蛇の列ができていたので、それはやめる。

あれがサグラダ… その通りを折れてまっすぐ行くと、バルセロナ旅行の大きなテーマである聖家族教会(サグラダ・ファミリア)があるはずである。わくわくしながら歩いていると、見えた! サグラダ・ファミリア。まだ遠景だが、じわっと感動が盛り上がる。

直下に着いてみると、ここも入場の列ができている。10分ほど並び、一人6ユーロを払って入場。聞けば工事はこの入場料でまかなわれているといい、いつ中断されるかわからない理由もそこにあるという。yokoが「資金があって日本人がやったら20年くらいでできちゃうんじゃないの?」と言っている。

サッパリしたキリスト像
圧倒的なデコボコのガウディ節!
入り口方面からサグラダ・ファミリアを見上げる。まずはキリストの十字架のシーンだ。ストーリーの始まりが有名な「生誕の門」だから、こっちはストーリーの最後ということになる。

中に入ると、そこはまるっきり工事現場。柵があり、部品や建築資材や工具の類がごろごろ転がっているばかり。この風景もまた興味しんしんだったが、反対側に出て、振り返ってみてびっくりした。例の有機的なデコボコのガウディ節が、圧倒的な迫力で迫って来る。入った側の塔のサッパリしたたたずまいとは全然違うのである。
入り口で見上げた時は、何となく白いなあ?と漠然と思っただけだったが、裏側…つまり生誕の門と比べてみると、入り口側は確かにモダンでスマートではあるのだが、なんともサッパリ・ノッペリしていて迫力がない。この入り口側、実は最近作られた新しい構成なのである。ガウディ、改めて恐るべし。「近年識者の間でも、サグラダ・ファミリアの建築を続ける意義を問う声アリ」というのも納得なのである。
ひょっとしたら「最近の」はまだ全然作りかけなのかも知れないが。。


「窓」から市内を望む
その生誕の門の黒々とした偉容にしばし口をあんぐり開けて見入った後、よし、それじゃ登ってみるべえ、ということになった。
エレベーターもあるのだが、有料だし、ひょいっと上に上がって降りるだけじゃやっぱり面白くない。
人一人がようやく通れるほどの、細く、目のまわるラセン階段を登ること30分くらいもかけたろうか。かなり上の方まで登れることに驚く。

“窓枠”はすべて下に向かって角度がつけられている。いつぞやのTV番組では、「完成の暁には塔の一つひとつに巨大な鐘がつけられ、音が下(街)に向かって降り注ぐことになる」と言っていた。凄い発想である。
窓には網が張ってあるわけでもなく、ちょっとジャンプすれば平気で落ちることができる。かなり足がすくむのである。

てっぺんの方で反対側の塔に移り、また下ること延々。再び生誕の門の前で腰を下ろして休みながらしばらく口をあんぐりさせた後、次なる目標に向かうことにした。

巨大な卵 14:30 さらに南下
それにしても、今日は実に歩け歩けデーになった。つくづく、ただのスニーカーじゃなくてもっと歩くのに適した靴をあつらえておけばよかった思った。足が棒である。yokoも血の気が引く、と言っている。

サグラダ・ファミリアから南へ徒歩10分、巨大な“卵”が塔の上に立った建物が見えて来た。
その次なる目標とは、Placa de Toros Monumental(モヌメンタル闘牛場)である。闘牛は実は全然見ようと思ってはいなかったのだが、飛行機の中で改めてガイドブックを見てみると、10月末まで、日曜の午後17:00頃からやっているとある。しかも特に予約はしなくとも見られるらしい。これは、ということで向かってみることにしたのだった。

まだ時間が早いし、腹減ったねということで、闘牛場の近くのBarに入り、パエリャ、カラマル(イカ)のフライ、ビールを頼む。
パエリアを注文すると、店のおっちゃんが席のそばの冷凍庫に手を突っ込んでゴソゴソやっている。まさか冷凍もん? そのまさかであった。多くのBarの店頭には同じようなパエリアの看板が立っているのだが、どうやら冷食メーカー支給の看板なのだな。確かにパエリャは冷凍なりであったが、ま、雰囲気雰囲気。
近くの席では、子供連れの家族が、前菜のパスタから大きなデザートまで、かなり大量の食事を取っていた。飲み物はビールのパパを除き、水(ミネラルウォーター)。こっちでは食事の時にけっこう水を飲んでいる人がいる。

話題…救急車がけっこう多いねえという話や、道往く人には黒人や東洋人が少ないねえという話。そういえば、グエル公園でも日本人の観光客は思いの外見かけなかったな。

踊るピエロとたたずむ旅人 16:00 闘牛場事件
さて、取って返して闘牛場のチケット売り場。おっ、窓口が開いてる!
喜び勇んでチケットを買おうとするが、窓口上部の表示を指さしてこの席!この席!(闘牛場、陽の向きと列ごとに料金が違うらしい)と言っても、何か言っていて売ってくれない。なに?なぜ?という顔をしていると、窓口のおじさん、両手の人差し指を両耳から突き出して「NO MORE FIGHT!」と言う。「サーカスがどうの!」とも。なぬ?闘牛はやってない?と悟り、一歩下がって闘牛場前面の横断幕を見ると、ピエロが踊っている絵。しかも、続々と窓口にやってくるのは小さい子供を連れた親子連ればかり…今日はどうやら、家族感謝デー・サーカスの日らしいのだ。うーむ、見られないとなると改めて残念である。。

意外に立派な凱旋門 がっくり疲れが出た。闘牛場前のベンチに腰を下ろして、この後の作戦を練る。まだ腹も減っていないし、くたびれたしってなことで、取りあえずホテルに帰ることにする。ちょうどどのメトロの駅からも遠い場所だったが、「凱旋門」駅というのがあるので、そこまで歩いて見物することにした。
凱旋門といえばパリのが有名だが、パリにもいくつも凱旋門があって、小さいのもある。その小さいのくらいかな?と思ったら、意外に立派なものだった。

凱旋門駅…Arc de Triomf駅からメトロに乗り、Passeg de Gracia駅で乗り換え、ホテルのあるVallcarca駅で降りる。地上に出てみると、ようやくホテルの位置が完全に把握できた。やれやれ、ホテルは坂のずっと上。つづら折りの道を、重い足を引きずってえっちらおっちら登る。旅の鉄則は「疲れないこと」だが、今回も守れてないっす…。

19:00 夕飯探しに、また行脚
夕食は近場で済ませるか、できれば朝みたいにサンドイッチでも買って来てビールで流し込むか、という話になり、再び外に出る。
「ちょっとそこまで」のつもりだったが、日曜の夜のせいなのか、店という店が開いていない。朝メシを買ったお店もキッチリ閉まっている。やあ困ったと言いながら1時間以上放浪するが、ない。
昼間歩いたグエル公園下まで行ってようやく開いている安Barがあったので、躊躇しながら入ることにした。ビールとハンバーグのプラナートス(皿)を頼む。ハンバーグに目玉焼き、ポテト、トマトと野菜がひと皿に乗ったものである。店のたたずまいとマッチして、ハンバーグはすごくまずい(笑)。脂っこくて、いかにも肉っ、て感じ。ま、腹の足しにはなったけど。

話題…とにかく犬が多い。女の子たちは、たいがいヘソ出しのチビT姿(あふれる脂肪とか全然気にしてない)。スカートをはいている若い子はほとんどいない。

へとへとにになってホテルに戻る。昨夜、口を開けて寝ていたら(^^;)喉がカラカラになったので、ホテルの自販機で水を買おうとして1ユーロ入れるが、商品は出てこず50セントのお釣りしか出ないので、カウンターに文句を言った。ホテルマンは昨夜のsergeくん…どうもこの人とは間が合わないというか何というか…。sergeくんに言われてカウンターの中から私服の少年が出てきて自販機を開け、水をくれる。
この少年はsergeくんの弟かなんかなんだろうか? ホテルの仕事を覚えようとして下働きしているのだろうか? ヨーロッパの人って、生まれによって就ける職業が決まっているような気が、ふとする(貴族−平民の差って、今でもきっとあるよな)。