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2008/02/29 金

なだれ情報有料化?

ニセコアンヌプリは全山是滑走場という趣になっているけども、管理された箱庭などではなく“歴とした冬山”なので、危険はそこら中にある。
「ニセコ雪崩調査所」というところが毎日なだれ情報を出しているのも、そうした危険を少しでも軽減しようという活動の一環だと思われる。

で、今日のエントリに、アンケートへの協力要請が載っていた。
いつもお世話になっているサイトなので、協力してみた。

最後の設問にこうあったので驚いた。

今後雪崩情報が継続するために有料化されたとしても
必要だと思いますか?

おおお!? 有料化っすか…。

どういう背景でこういう設問がついたかは知らないので、以下は推測なんだけども。

調査所を主宰している新谷さんは、こうして重要情報を流しているのにスキー場側は理解がない、いつまで経ってもボランティアの域を出ない、と憤慨しておられる。
もっともである。
活動にはコストがかかる。
有料化も、続けるためにはやむを得ない措置かも知れない。
できれば協力したい。
カネ出してもいい情報内容だとも思う。…ボンビーなので辛いけども…(´Д`;)。

だがしかし。
危険の周知や、啓蒙という意味もはらんでいる情報が有料でいいのだろうか?
いつもいるような人間はいいとしても、例えば年2~3回というユーザーが継続して購読する気になるだろうか?
カネ払ってまで見ようというのは、既にオウン・リスクを認識しているユーザーばかりになるのではないか?(自家撞着である)

そもそもこれは課金を取って提供する「サービス」という筋合いのものではないだろう。
「入山」する人間があまねく読むべき情報にハードルを設けてはいけない。

カンパ、つーなら微力ながら協力する用意はある。けども、まず動くべきは“山の集客力”で儲けている(かどうかは知らないが)索道会社だろう。
それか、行政なんとかしろ、とただ乗りさんは言っているが…。

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ニセコなだれ情報に関するアンケート(英語はこっち)が行われている。そのアンケート

Comments

はじめまして。

有料化がどのような形になるかは分かりませんが、スキー場の客の事故防止のための情報まで有料だなんて、ヤクザな商売ですね。索道会社はともかく、間違いなく観光産業はそれで潤っている(倒産の危機から免れた?)と思うので、やはりそうしたところが負担すべきでしょう。けれども、営利追求の民間に完全に任せると、どうなるか分からないので、行政が調査所など現場の専門家の指導を受けて、事故防止を最優先にした制度づくりが必要だと思います。もちろん、最近の行政は信用なら内面が多々ありますが、株主や金持ちの意見しか聞かない民間よりは、有権者の意見を聞いてくれる(はず?)の行政の方が、相応しいと思います。
以前とある企業や個人がスポンサーから寄付や援助の申し出があったが、新谷さんの性格でそんなものはいらん!と言ったとか言わないとか・・・・・
周りのスタッフは台所事情からはとてもありがたい話なのだがあの親父の性格だから・・・・とぼやいていたそうな。まあこれも又聞きだけど。(笑)
shinpapaさんはじめまして。

そのような話があったとは知りませんでした。調査所も一枚岩ではないということなのでしょうか。この話を知って、あまり推測だけであれこれ言わない方がよいと思いました。

何はともあれ、雪崩事故防止から後退しないことを願います。
私は雪崩情報有料化賛成ですよ。
しかし、それは「曖昧な判断」でなくて「正確な測定数値」の共有化に関する有料化です。

#FONなんて、共有資産の有料化モデルとして、結構参考になるモデルだと思いますよ
ぐでん2さん、はじめまして。

「測定数値」は正確かもしれませんが、不確定要素が大きい雪崩では、判断が曖昧にならない保障はないと思います。むしろ、そうした情報を正確だと過信してしまう危険があると思います。

FONがどのように参考になるのかが分かりません。どのような共通点があるのでしょうか?一つの情報を不特定多数の人が共有することと、不特定多数の人が持っている情報を不特定多数の人で共有することとは違うと思います。なだれ情報は共有資産ではないと思います。

ニセコローカルルールは、事故が起きてもスキー場が責任回避出来る場所へスキー場の設備を利用して行く人を、事故から少し遠ざけるために作られたもののようです。新谷さんは事故を減らしたかったようです。有料化された場合に考えられることは、情報を得ずにゲートから外へ出る人が現れることです。事故が増えることが予想出来ます。そうならないために、情報を得ずに出ることを禁止するのでしょうか?有料化しても採算が取れなかったら止めてしまうのですか?目的が雪崩事故防止だということが何より大事なのだと思います。

このブログはH氏さんが管理されているんでしょうか?度々長い書き込みで申し訳ありません。
管理人です。
H本さん、わざわざコメントどうもです。

私は「行政がちょろちょろ出て来んじゃねぇウラァ!」という人なので、他ならぬユーザーのリスクヘッジに対する企業の良心に期待したいです。

ということで。
> ぐでん

学術調査じゃないんだから別に「正確な測定数値」は要りません。
「なだれ情報」のいいところ(価値)は、一文に必ず脅しが含まれていることなんですよねぇ。

最近「ですます調」になったのは何故なんでしょうか?(笑)
(まさか読者へのおもねりじゃないでしょうが…新谷さん書いてないのかな)
現在はどうなっているかわかりませんが、索道会社がなだれ調査所を支えていたはずです。

http://finesnow.com/2006/12/07/1573/

もちろん、これで足りているかどうかはわからないけどねぇ。
> おが

そうそう、その記事は忘れてた…。
ちなみにオレが本文中に「…と憤慨しておられる。」と書いた根拠は、「FALLLINE」誌に掲載された新谷氏の記事(2006年9月21日付)です。
http://www.steeps.jp/hy/log/eid876.html

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