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2007/04/16 月

憲法是か非か

私は9条あったればこそ、日本というひ弱な国がこのような苛酷な国際環境の中で、かくも繁栄しつつ生き延びることができた根本条件だったと思っている。
9条がなければ、日本はとっくにアメリカの属国になっていたろう。あるいは、かつてのソ連ないし、かつての中国ないし、北朝鮮といった日本を敵視してきた国家の侵略を受けていただろう。
9条を捨てることは、国家の繁栄を捨てることである。国家の誇りを捨てることである。9条を堅持するかぎり、日本は国際社会の中で、独自のリスペクトを集め、独自の歩みをつづけることができる。
9条を捨てて「普通の国」になろうなどという主張をする人は、ただのオロカモノである。

改憲狙う国民投票法案の愚 憲法9条のリアルな価値問え - ビジネススタイル - nikkei BPnet

改憲について立花隆氏が胸のすくことを言っている。

改憲派の論拠のひとつに、特に「9条」が「アメリカから押しつけられたもの」という点があるが、これは実は議論の一方の見かたに過ぎない(幣原喜重郎(つまり日本側)が発案したという説もある※)。それに、自発的なものか押しつけかは結局どちらでもよい、現行憲法の価値をこそ問え、という内容である。

※ちょうど「落日燃ゆ」(城山三郎)という本を読み終えたところなんだけど、城山氏は「幣原発案説」に立っている。(心からの平和への期待である)

私は、この国際テロ時代に当時の枠組みのままでよいのかなぁと思う一方、専守防衛・戦争放棄の理念は絶対に捨ててはいけないと思っている。
仮に「戦争」と「防衛」とを峻別できるならいいとも思うが(スイスみたいに)、それはムリだし、今の政府与党には毛頭ない考え方だろう。

ところで「落日燃ゆ」ではまた、「統帥権」を分離し、軍部の暴走を許した大日本帝国憲法を「長州が作った憲法」として批判している。

長州と言えば、
「私も伝統ある長州出身の政治家として、命がけで頑張りたい」(出馬時の地元での決意表明)
「戊辰戦争では迷惑かけた」(会津での応援演説)
「同じ長州につながるものとして、血が騒ぐ」(映画「長州ファイブ」を観て)
などとアナクロニスチックなことを言っている、あの現職総理大臣の系譜である。

いつの間にか「省」に格上げされていたり、重要な法案も数をもって押し通そうとしたり、愛国心を法律で謳ったりすることは、実は「美しい長州」のためではないのか。

少なくともそういう人は日本国憲法について語って欲しくない。

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Comments

憲法9条により、国民は誰一人として、その生命を危険に晒されたり、財産を奪われたりはしていないよね。

先日、ジミン党の国対委員長は「(武器使用を前提とした)自衛隊の国際貢献をしないと、国際世論の中でみっともない」みたいな発言をして、国民投票法案を強行採決していたこと(=憲法9条を改正すること)の正当性を強調していたんだけど、んな精神論で武器使用をしなければならないところに派遣される国民(自衛隊員だって国民だ)の身になってほしいもんである。

弱腰でヘナチョコなミンシュ党を最大限に応援するつもりは毛頭ないけれども、やはりアナクロニックなジミンは政権の座から降りていただきたいと思うのです。

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