2008/11/01 土

少女小説?

たまさか(また)凄みのある書評を読んで興味惹かれたので、初めて読んでみた。

2008/10/22 水

医療小説

ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)
ナイチンゲールの沈黙」 海堂尊 (宝島社文庫)


ちょうどCTやMRIなどの画像診断を受けようかという時に読み始め、産婦人科の“たらい回し事件”や小児科医の過労死訴訟などのニュースが流れる中で読了。

医療の影ってあるよね…。医療への期待や批判という光が強すぎる面もあるかも知れないけど。

さて、その医療小説。

チーム・バチスタの栄光」の直接的な続編(といってもストーリーは別物)です。
専門的知識や業界事情が下敷きになっているし、前作と同様キャラクターが活きているだけに面白くスリリングに読めます。

が。

書き込んで欲しいところで物足りず、ヘンなところで筆が滑る。なんか読み手であるオレの外側で勝手にお話が躍っているみたいで、戸惑うことしばし。

事件も教訓(「間違いを隠してはならない」)のための事件であり、謎は謎解きのための謎、舞台装置も荒唐無稽、とくればもうオレにはムリ、ついて行けません。

「チーム・バチスタ」では、その圧倒的な構成力に脱帽して敢えて書かなかったけど、この作ではそのネガティブな部分をよけいに感じてしまった。残念ですた。

中で白血病の女の子の一途な台詞だけが、混沌の中にさす寂光のように心に残りました。

2008/10/16 木

TVのバカ

テレビの罠―コイズミ現象を読みとく (ちくま新書)
テレビの罠―コイズミ現象を読みとく」 香山リカ (筑摩新書)


副題にあるように、「コイズミ現象」を巡るTVの功罪を、豊富な文献検索(悪口を言えば他人のフンドシ)で読み解こうという本。

TVが戦後ニッポン國民をバカにしたとオレは思っているんだけど、視聴率という形で國民がバカを望んでいるのも事実なのであって、実際のところはどちらが先なのかよくわからない。

TVの最大の難点は、時間に絶対的な制約があることだろう。あらゆるコンテンツを一定時間に収める必要があるために、議論は深まらず、どんな映像にも編集が介在し(たとえ「生中継」であっても)、結論はシリキレになる。イッシューがシリアスであればあるほど、それは次々に流れ去ってしまう(コドモ文化丸出しのバカCFに切り替わる)。

この辺を天才的にうまく操ったのがコイズミさんである。
曰く、「ワン・フレーズ・ポリティクス(一言政治)」という。改革是か非かという身も蓋もない単純化で、國民世論を大動員した。その媒体となったのが、TVである。例のブラ下がり取材を一日二度行ったのもコイズミさんである。

さて、選挙演説でアソーさんが街頭に立った時(これも何で街頭で演説せにゃならんのかというとやっぱりTV向けなんだろうが)、アソー・アソーの大合唱の映像には唖然とした。「フクダさんとアソーさんなら、やっぱりアソーさんかなぁ」と、どっかのオバサンが根拠薄そうに目を輝かせる。

政治や行政がおバカなのも國民がバカなせいだが、はて、どこかで歯止めをかけることはできるのだろうか?

2008/10/01 水

プロ野球観戦術

プロ野球観戦術」 江夏豊 (スキージャーナル)

試合前から始まり、一試合を一回表裏・序盤・中盤・終盤という局面別に分けて、投打の攻防や駆け引きのキーポイントを往年の名投手・江夏豊氏がインタビュー形式で語り尽くす。
(聞き手は「プロ野球職人伝説」などの著書があるジャーナリスト、木村公一氏)

冒頭、試合前の風景(何時に球場へ入り、どうウォーミングアップするかなど)の説明を読んでいる時は、これはわざわざ江夏が語るまでもないんじゃないの?とか、ほかならぬ「江夏のマウンド」からしか見えないことが語られるんじゃないか?とか疑念が湧いたんだけど、読み進めるうちにそれは払拭。

初球はなにから入るか? 打ち気にはやる打者をどう攻略するか? バントを警戒する場面でなにを考えるか? 中継ぎ・ストッパーの気構えは? など、プロ野球好きならぜひ知っておきたいプレーの機微や見るべきポイントが次々に出てくる。

江夏氏、やっぱ肩(球速とコントロール)がいいだけじゃない、よく野球を考えて来た人なんだね。サスガとしか言いようがない。

野村克也氏の著書とならび、日本のプロ野球の奥深さを知る上でも役に立つ。
好著。

2008/09/06 土

出雲神話

出雲神話 (講談社現代新書 444)
出雲神話」 松前 健 (講談社学術新書)

八雲立つ、根の国、とも称された出雲は神話のふるさとである。
その出雲ゆかりのスサノオ、オオナムチといった「神」たちがどこから来て、いかに神となりしか、が論考される。

筆者は斯界では権威ある人のようだ。初版1976年と古い本ではあるけど、それまでの研究がここに評価集成されていて、出雲神話に関しては定本と言っていい内容のように思われる。

が、多少の考古学的・民俗学的な傍証や歴年の学問の成果はあっても、結局「原典」は記紀と風土記くらいしか残っていなくて、その上に立って推論をこねまわしているだけだし、そもそもその原典が現代に伝わるまでに、言葉や価値観の遷移も含めて相当な紆余曲折があることは否定できないだろう。なので、論考が正しいとは限らず(なにが正しいかもわからないし、正しくなければいけないわけでもないが)、神話はどこまで行っても現代の妄想の域を出ないのである。

もちろん、目覚ましい人や事績が語り継がれてやがて「神」になるプロセスや、人間には「神」が必要であり、支配者には統治や権威づけのためにまた「神」が求められるという古今東西変わらないと思われる「原論」抽出には意味があるのであって、書物の価値の高さは明かである。

いやそれにしても…読むのに時間かかって大変じゃった。
日本の原風景の理解に役立つとは言っても、結局オレには関係ないっつーことがよくわかった。

興味はあるけど関係ない本って、もう時間ないから読むのをやめよう…(^^;)。

2008/08/12 火

筋トレする気はないが…

仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか
仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」 山本ケイイチ (幻冬社新書)

「仕事ができる人」の分析かと思ったら(いや、仕事ができたいから読んだというわけではない)、筋トレと、パーソナルトレーナー利用のススメであった。(著者はイケメンのパーソナルトレーナー)

要は「目標設定」、「スケジュール管理」、「規則正しさ」などがデキることと筋トレとに共通する資質であり、そこからよりよいカラダとココロ(モチベーションや意欲)が生まれる、という法則なんですね。

規則正しい生活は送っているが、目標のある生活は…送ってないな(^^;)。

2008/08/05 火

母と息子は分かり合えるか

高村薫さんの小説に合田雄一郎シリーズというのがあって、「マークスの山」→「照柿」→「レディジョーカー」と面白く読み進めて来たんだけど、シリーズ最新作「太陽を曳く馬」が月刊文芸誌の「新潮」に連載されていると知ってまた興味が湧いた。

いよいよ来たか、と。

「レディ…」で合田は心がすっかり折れちゃって、事件は一応解決を見るものの別の部署へ異動になっちゃったりして、ただその異動先も(国際なんちゃら部だっけかな?)十分続編をヨカンさせるものだったので、心の隅で楽しみにしていたんである。

「太陽を曳く馬」なんて、タイトルからしてなんとなく想像ふくらむじゃないですか。(ギリシア神話に由来しているらしい)

ところが、Wikipediaで調べると、別欄に「福澤彰之シリーズ」というのがあって、そこにも「太陽を…」と書いてある。同名の違う小説なはずはないので、ここで別シリーズがシンクロして来るのだと思われる。

しかたねぇそっちのシリーズも読んでみるか、と手にとってみたのが今回の読書。

2008/07/18 金

夏の追憶

スローカーブを、もう一球 (角川文庫 (5962))
スローカーブを、もう一球」 山際淳司 (角川文庫)

以前持っていたんだけど、「江夏の21球」をまた読みたくなって古本をポチ。

2008/07/15 火

ピッチングの妙味

和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)
和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか」 佐野真 (講談社現代新書)

ソフトバンクの和田毅です。

昨日今日プロ野球を見始めたばかりのオレですが、和田(の顔)は知っていました。なんでだろうね?

2008/07/14 月

ゲド戦記ノート(その後)

某筋から「ゲド戦記(1) -影との戦い-」を入手したので、ちまちまと読んだりネットで情報を拾ったりしていたら、その折りも折り例のアニメ映画が金曜ロードショーで放映されるというじゃないですか。

これは呼ばれたな、と思ったので、節を変じてこのアニメ映画を見てみました。

(以下、義憤に駆られて長文)
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